夏ノ鎖 レビュー

痛々しい夏の思い出

総評 一番鎖に縛られているのは誰なのだろうか

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夏ノ鎖

夏ノ鎖

プレイ時間は3:30ととても短いのに心を揺さぶられたゲーム。
はじめはマゴット(ryをやろうかなーと思っていたのですが「夏ノ鎖」がそういや季節的にも良いかなぁと思ってDMMで購入。
青春をこじらせてる痛々しい主人公と正に天使とか聖女と思えるような少女の「夏の思い出」ですよ。
監禁物のゲームなのになんでここまで…グッサリ胸に突き刺さるのかなぁと思うぐらい面白かったです。
メーカーのクロックアップとしては「若気の至りでやってしまったオーソドックスな監禁調教ゲーム」として作ってたようですけど、
ものすごい良かったです……。
正直「Euphoria」より個人的には好きかもしれません。
あっちはラストの部分をぶん投げてる(想像させる部分)が多くて現実と非現実の区別があまりつかないエンド?っぽかったので、自分はハッキリしてるこっちの方が好きです。主人公の小物感とかね。

シナリオ雑感


憧れの女の子を監禁して調教していく痛々しい主人公。
心まで手に入るか、手に入らず鋼の精神を持っているのはどちらなのか…というのは結局のところ美月ちゃんだと思います。
親や家庭の事情を含めてあの家に居れず、傷つくことに恐れているから結局偶然あの時バス停に居た美月ちゃんを心の支えとして生きちゃったんじゃないかなーって気がします。
ストックホルム症候群になっていたのかはわかりませんが、その主人公の痛い行動をすべて受け入れてくれてる美月ちゃんってホント天使ですよ。
絶対に絶望しない、美月ちゃんが歌っていた「ラフマニノフのヴォカリーズ」が全てを表してるんじゃないかなぁと(これはスタッフコメントの葵時緒さんのコメントを聞かないとわからないんですけれども)

どうしてヴォカリーズなのかと、初演時の歌手のアントニア・ネシュダノヴァがラフマニノフに質問したら、 彼は、「言葉がなくても、声や音楽性で感情や雰囲気を表現できるだろう・・・」と説明したそうです。

きっと美月ちゃんは監禁されてもそれでもヴァイオリンの夢を諦めず、逆境からすべてを取り戻した(主人公逮捕END)や同窓会ENDを見るとホント強いなぁ、と。
自分としては監禁され筋力が落ちヴァイオリンの道を絶たれて、鬼籍となってしまい、縋るべくところが無くなり主人公の奴隷(奴隷END2じゃない方)も人間の弱さが見えて好きだったりします。
自殺に逃げる主人公のエンドも有りだと思うし、結局どのタイミングでどう踏み込んでいたら彼女と彼の関係は変わったのかな…って妄想も膨らむんですが、美月ちゃんを彼女に迎えるのは相当難しい気がします。

システム・ボイス

いつものクロックアップです。
ゲロ・スカ搭載、アヘ有り。それでもスカOFFにすればなんとか見れるかなー。
いや、Euphoriaやフラテルニテでちょっと鈍感になったのかな!?って気もしないでもない…いやいやフラテルニテよか全然純愛だよ…!
ボイスもごぎゅげええええええええとかうゔぇええええええええとかおゔええええええええええ(嘔吐)とかあるのでホントクロアプに出る声優さんは大変だなと思います、まる

CG・Hシーン

いつもの(ry
これに関しては純愛は一切ないです、ただただひたすら美月ちゃんに対する暴力、ですね。
これで抜けたらちょっと怖いところは有るなぁ。
珈琲貴族先生みたいな黒髪ロングストレートで美月ちゃんマジ惚れる

おまけ

のりざね先生のスタッフCGがせつなすぎて涙を誘いました。