さくらむすび レビュー

f:id:LikeLife:20220321002207p:plain

総評

安瀬聖が弾き語るゆったりとしたBGM
☆画野朗の描くロリっとした女の子
そして雰囲気を壊さないゆったりとしたシナリオ
しんしんと、しんしんと募る狂気
物語の「転」に当たる部分はさすがトノイケダイスケ、面白いって思いました
変わらないもの、変わっていくもの、変えられないもの、かけがえないもの
兄と妹の話しだけれども結局話の重点は「近親」と「成長」だと思います

f:id:LikeLife:20220320221547p:plain
プレイ当時はまじで○生?φじゃなくて?って思った幼い、妹
さくらむすび」というだけあって圭吾とさくらのための物語であるのは当然なんですけど
多分トノイケダイスケ的にはメインヒロインということもあってハッピーバッドと2種類のエンドがあるんではないかとも想像はつくんですよ
「妹だから」と言って幼く妖艶で純粋な狂気を孕んでる桜との関係を見ないふりしていた圭吾
だけども幼く妖艶な狂気は襲いかかってくるのです
「兄と妹」という関係をぶち壊しに
Trueと思われる方は散々桜といちゃいちゃ甘えるものの桜の依存は(一応)形的に無くなる
しかし待っているのは緩い破滅でしょうなと
BADと思われる方は距離を離しているはずなのに、「兄弟だから」という「禁忌」で捕まってしまう
親子といっても良い秋野夫妻の存在と龍馬に咎められるのは胸が苦しかった、そして紅葉

約束。いいよ、どんな風になっても。二人が幸せでいてくれたら、私はいいんだ。だから、約束。みんなで幸せになるの。
それで三人笑い合うの。明日でもいいし、一年後でもいい。ね?

と思いつつもBADエンドの美しさはなんとも言い難い美しさである訳でして
拒絶したはずなのに禁忌を犯したBADっぽいエンド
受け入れてしまったからの緩い破滅
本当に桜は義理の妹なのか?義理って言っていてもそれは本当なのか?(迫害のされ方を見るとね)
って疑問
無「邪気」邪気がなさすぎるゆえの狂気という…
とんとんと描写される「桜の国」、トノイケダイスケといえば水月なので「マヨイガ」みたいなものだと思うんですけど最終的には圭吾も桜も逃げた
兄妹と言ってくる世界から
それはTrueを見ているからこその幼さ、弱さが見えてまた良かったですね
それと桜は本当に「桜」なのか?と
桜の樹の下には死体が埋まっている-という何度も使われる台詞ですけど確かに「桜」の下には(犠牲になる)死体が埋まってるわけですね、と
桜は儚くて美しい、アダムとイブは禁断の果実を食べて楽園を追放された、BADエンドの圭吾と桜は追放されたアダムとイブだったのでは?
「近親」という果実を食べてしまったから桜の国に逃げることになってしまったのでは?とも思えるし、まあ00年代オタクくんが好きそうな感じです
自分も好き

可憐

見た目含めて一番好きです
オタク黒髪ロングに弱い、心のCVは下屋則子
f:id:LikeLife:20220320231915p:plain
なぜ瀬良の家に「桜結び」があったのか、桜への問い詰め方、邦彦の

なぜよりにもよってあの子で、君なんだろうな

から察するにまあ大体血縁関係者じゃねぇかなあという想像までは付きますね
可憐が「ロミオとジュリエット」と称するように可憐は桐山家と金村家、秋野家を含んだなにかーそれが世間体では「化け物」に値する事を知っていて「桜結び」台本を開示というか持ってきたのではないかと考えられるわけで
勿論実子ではない邦彦は知ってる、「なにか」
個人的には桜の事を「化け物」と呼んでいるのかと思ってたけれども可憐の背後やか可憐から語られるのは「桐山圭吾」という人物、というか桐山の過去なんじゃないかなあと思います
本当に可憐が瀬良の実子なのかも気になるんですけど
実際は血縁関係は圭吾ー桜・可憐(双子の実妹っぽい気持ちもする
だから邦彦が可憐の事に突っ込むなと言っていたのか、それとも何かがあるのか
形的には違うけれど最終的には逃避なんですよね
まぁなんとなく…
でも兄妹の和解も含めてキレイなオチだったとは思います

紅葉

f:id:LikeLife:20220321000813p:plain
いわゆるTrue、いわゆるハッピーエンド
桜も望んだ幸せの世界ではあるんで形式的なハッピーエンドではないんですよね
それ以外を選ぶと辛いんですけど

あ、でも私たちは普通じゃないのかな、周りから見たら。
仲良すぎって言われるもんね

トノイケダイスケは本当に幼馴染好きだなあと感じるわけです
世間は雪さんとわはーの世界が好きであっても結局花梨もなかなかにパンチが効いてたわけですし、ワンリリでも透子さんという年上幼馴染が居て
世界も紅葉との「結び」は肯定してくれる
これ以上無い幸せですよね、普遍とも言いますけど
曖昧なもの、それはみんな怖いんだと聞いたこともある

桜は、泣いていた

幼い桜、守ってあげなければと思った妹
妹は姉と結ばれることによって今の場所を確保できると思っていた、幼いから
でも何度も言われていた、桜が”圭吾の隣に”入れることはないと
それを主張されるのが可憐・桜ルートの問い詰めなんですけど、正論をぶつけ合えられるのと兄から事実を突きつけられるのは正直どっちもしんどいよなあって気分にもなりますが、さくらむすびって結局兄離れ・妹離れもメインだと思うんですよね
近親相姦・禁断の関係・身分制度・背後の大きな化け物
いろいろ語りたいものはあるだろうけれども
そしてトップクラスに散髪と抱きしめられるCGがいい

好きだよ
笑ってないか?
えー?笑ってないよー

のバカップル的やりとりといいますか、微笑ましさマックスはすごい良いのです
幼馴染バフというか「秋野紅葉」といういい子バフがすっげえたまらないというか
勿論物語的な意味合いでも「さくらむすび」、「むすび」の子でしょう多分
すべてを包み込む無窮の愛を持っている紅葉はいい子で強い