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CRACK≡TRICK! -クラック・トリック- レビュー


総評

CRYSTALiAとかずきふみが生み出す新たな館モノのミステリーです
印象としてはオカルトが関わらない「きまぐれテンプテーション」的な男女のバディモノ
明るく可愛いセラフィナと持ち前の頭脳と固有能力ユニークを活用して事件を解決していく主人公のハヤテ
根本的にはかずきふみ先生の持ち味であるテンポの良い会話と可愛いヒロイン、謎の事件と相変わらずうまくシナリオギミックが組み込まれているなと言う印象です
1周目はへ?となりましたし、地味にループものか?と思わせてからの別の視点の書き手だったので大変個性的でした
ただ物語の解決進む頃にはもう取り返しのつかない状態になっていて願いが叶うわけでもなく、「フォルガン一族」の物語という部分では非常に面白いなと思いますけど
セラとのバディモノ…要素はうーん結構薄いかな…みたいなレベルです、期待しちゃうとちょっと悲しいかもですね
オールクリア後にセラとのイチャラブも読めますがあくまでおまけ程度なのが勿体ない
後はフォルガン一族のHシーンですかね、あんまり必要度を感じなかったと言うか…
割とこのレベルなら全年齢対象ノベルゲーとして出しても問題ないレベルだったと思います
ただまあミドルプライス帯ですし、今後「アカデミー」の話やハヤテの過去、固有能力ユニークの掘り下げ…みたいなのがあれば普通に読みたいですね
固有能力ユニークが誕生する話までは読み込めたので、そこからどうやって固有能力ユニークが広まっていったかとか
もっと話の深堀りが出来るライターさんでもあるので今後の活躍を楽しみにしたいです
かずきふみの手のひらの上で踊らされてるよぉ~感がたまらなかったので、はい

こんな人におすすめ

  • 館+推理が好きな人
  • 館モノと言えば炎上、派手なアクションが好きな人
  • 家族愛が好きな人
  • かずきふみのシナリオが好きな人

ブランド・ジャンル・プレイ時間

  • ブランド:CRYSTALiA
  • ジャンル:陰謀渦巻く館での探偵ADV

ストーリー・設定

近未来、電脳化が一般的に行われている時代
優秀な人材を排出しているアカデミー卒業の主人公ハヤテ・キサラギは首席で卒業したものの名誉や地位に興味がなく、故郷の町で探偵業を営んでいた
アカデミーの在校生であるセラフィナ・クリシャーニと共にペット探しや浮気調査、小さな事件の解決等こじんまりとした仕事を行っている
ある日突然、アカデミーの同窓生であるアデーレ・フォルガンから奇妙な依頼を受けることになる
名家である彼女の祖父が危篤状態に陥ってからフォルガン家の親族たちが不審死を遂げていること、その親族たち曰く「赤いドレスの女を見た」という謎の証言
元々の憧れの存在でも合ったアデーレの依頼であり、興味を持ったセラフィナからの大プッシュを断ることも出来ず、二人はフォルガン家の「謎の紅い貴婦人」を追うことになる

館には長女のアデーレ、次女のディートリンデ、三女のエミリア、メイドのリーゼが暮らしていた
そして次女のディートリンデが何者かに殺害され物語は加速していく

グラフィック・音楽

  • イラスト:色谷あすか先生

色谷あすか先生って何処かで見たな~?と思ったら「フラワーナイトガール」のアーティチョーク


FM(フラワーメモリー)「あまあまお揃いコーデ」等ですね、そりゃ馴染み深いなと言う印象です

  • SDイラスト:ぺろ先生

相変わらずぺろ先生の描かれるSDは可愛らしい、姉妹のお茶会が非常に良き

  • BGM:ALNEAR(琉姫アルナ)

CRYSTALiAお馴染みのEDMのALNEAR(琉姫アルナ)先生
「OVERC1OCK」が好き、CRYSTALiAといえばコレだよね!みたいなところがある

システム

少しの謎解きとADVシステムです
ただ「きまぐれテンプテーション」レベルで難しいものではなく、何度か確認する場面もあるためスルッとTrueは読めるはず

全ヒロインシナリオ

共通から4周して結論というか結果が見えてくるストーリー構成
大体1周が1h~1h30mぐらいで読めるので本当にコンパクトに読みやすくなっています
破茶滅茶なアクションシーンも楽しめます

ヒロイン

セラフィナ・グラシャーニ


頭脳明晰、溌剌としたアカデミー3年の通称「セラ」
固有能力ユニークハッキングを得意とする
主人公の相棒でもあり、そういう関係でも合ったりする

アデーレ・フォルガン


一周目は強制的に長子であり、主人公憧れの存在であったアデーレルートです
おや?と思っていたらアデーレが

祖父の残した莫大の遺産
を巡って姉妹争いになったと自供しだしたのでとても驚いたほどでもありました
あまりにもあっさり所持している固有能力ユニーク認識阻害の事をべらべら喋りだしたのも驚いた要因の一部であり、急激な展開変化についていけない人もいるかも知れないと言った所
ただこの場合は本当に導入みたいなもので本質じゃなかったのが驚きでした

ディートリンデ・フォルガン


二周目は次女で金髪ツンデレツインテガールディートリンデです
気が強い女の子!ツインテール大好き!と言う形で楽しんでましたが、彼女の固有能力ユニークが所持なし故のアデーレ殺害って言うのも面白かったですね、あまりにも急な展開は1周目で味わっていたのでまあ
コンプレックス抱えながらの金髪ツインテール娘の暴走は大好物なので非常に好きではある展開でして



それと1周目では語られなかったアデーレと姉妹の関係です
三姉妹の中に
不貞を働いた母親の血を引いていない娘
がいるのはサラッとアデーレルートでも提示されていた謎でしたがココで
危篤状態に陥っている祖父と母親が関係に合ったこと
長子はアデーレでは無く他の子供がいる
という提示が行われて来ました
その後彼女の望むがままに事が運ぶと思っていたら
紅の貴婦人
によって結局無能と評され殺されてしまうわけですが、
なんというか哀れでこの娘めっちゃやっぱ好きですわ…ってなりました
なんでえっちっちシーンが姉の持ってる大切なものを奪うため、なんですかねぇ…デレえっちっち見せてくれよォ!

エミーリア・フォルガン


三周目に当たるのは三女のエミーリア
エミーリアに関してはアデーレが元々病弱で外れの館に住んでいたことぐらいしか話は進んでいなかったので
フォルガン一族の躍進である

固有能力の更に先であるエクステンド
という能力の開発を祖父が進めていたというきな臭い話に
そしてその躍進の能力の開発は
組織
と呼ばれる施設で研究されていたということ、その開発能力を回収するため
紅の貴婦人
と言う次世代ロボット自立人形オートマタを作っていたこと
そしてやっぱり物事の中心人物がアデーレであること、というのを再確認させられた感じです



何と言ってもほぼほぼ他のルートでは活躍しなかったセラフィナや主人公であるハヤテの固有能力ユニークをバチクソに見れる点でしょうか、流れに任されていた部分が大半だったわけなので…
後はほぼほぼエミーリアから語られるデウス・エクス・マキナ計画の謎と小物化してしまったリーゼの話でしょうか
いいキャラしてんなーと思ったんですけどもねぇ


個人的にエミーリアが犯人だとも思っていなかったんで消去法で考えるとリーゼかアデーレかディートリンデの三択になってしまうのがうーんと言う形だったんですが
最後の最後で
リーゼがエミーリアのドタマぶち抜いた
スチルはちょっとトラウマになりそうでした
その後のセラとの蜜月?もうまく伏線張ってたと思います、個人的にテンプテーションみたいにラスボスはヒロインか、って疑心暗鬼にもなりましたし

TRUE



ループだと思っていたのですが
仮想現実による夢の中に捕らわれてしまう
ってギミックはそこそこ驚きでした
エミーリアの話はもう薄々伏線貼りまくっていたのでだろうねぇとしか言いようがないですし、フリッツとエミーリアの義父であるヨハンネスの関係はプレイヤーの想像通りでした、ここまでは普通に間違いないだろうなあ~と思って読めていた
エミーリアのみ固有能力が明言されていないのもまあ理解は出来ていたって言うところなのですが


そこからの
長子で叔母の関係であるエミーリア
っていうひっくり返しはまさに
かずきふみの手のひらの上で踊らされてるよぉ~~~再来


確かに方法としては納得なんですよね、殺しを狙うわけではなくて
衰弱死
を狙っているところとかがらしいと言いますか、ほか二人なら直接的に物理で殺傷を起こしに来てもおかしくない性格してるので尚の事納得感が強かったわけです




「夢の中で優しくしてくれたのならば殺したくなかった」
という姿がすっごい儚く、人生ともども壊された全知の神の姿では有りましたが…
結局のところ二人の共通認識である
フォルガン家を滅ぼす
って言うのは擬似的に出来ていましたし、何度か繰り返した夢の中で一回だけエミーリアの事を守らっていなかったですがそれ以外は常にエミーリアと共に居たのでまあそうでしょうね、という印象でした
生き残って欲しかったとエミーリアは言っていましたが、遺産相続や家族のあり方が普通であったのならばこんな悲しい物語にはなり得ないんだろうと思う反面、アデーレは最後の最後まで彼女の能力に反していたわけで悲しくならない未来も提示できていた気がするんですけども
もしも、アデーレが祖父の莫大の遺産に執着していなければ、ディートリンデが優秀な姉に対するコンプレックスを抱えていなければ
それでも父親とともに死を選ぼうとしていた彼女が全てを告発し
前向きに罪を償っていこうとする姿は悲しいモンスターになり得た女の子ではなく普通の人間であることの表明だったかと思います


蓋を開けてみるとフォルガン一族の家族モノでしたね、ちゃんと推理しますし結果も出してくれて読みやすい推理ものだと思います
ハヤテもセラも有能なので逆に詰まること無くサクサク物語が進んでいくのも良かったです