
- 総評
- シナリオ
- 全ヒロインシナリオ
- おすすめルート
総評
素晴らしい名作だけども相変わらず
introであるすかぢのとっつきにくさと言うか独自の臭みエグみは相変わらずといったところ
また2章に入るまではかなりスロースタートなので一周目の攻略に関してはかなり合う・合わないが出きっちゃうと思います、
度を超えた下ネタやトーマス等のアクの強いキャラが多いのでかなりそこを耐えきるのがサクラノ詩のプロローグと言っていいでしょう
そして「サクラノ刻」が発売されている今なら一気にプレイして感動するという部分が大きいです
2部で分割されたという意味だと待った人がヤキモキしただろうなと言う部分も感じられました
ただ、この大作を練り上げられる前の苦悩と完成してからの刻までの長い時間は制作者側の苦悩や壁があったのではないかと感じました
まるで製作者が草薙直哉の一部のような気もしましたし、トータル的にプレイしたらこれを描くプレッシャーとか評価とかそういうものに押しつぶされてもおかしくはないな、と
そこを乗り越えた先は草薙直哉と言うやれやれ系主人公を他視点で俯瞰して見ていくのですがそこからが本番、すごい胸を掴まされるゲームですね
やれやれ系で絵画に関しては評価も高いのに絵は描かないスカした野郎に見えるのですがそこから掘り下げられていく草薙直哉の博愛精神やら実はそれに至るまでの犠牲にしてきたもの等々を考えると非常に重たい
でも、そんな直哉だから惹かれて行きやがて好きになってしまうという理論
その恋愛に至る描写の丁寧さは当に真骨頂と言うべきですし
全体的に通して家族関係の和解や絆を深めていくというのもシナリオの一部だと思います
真琴は紗季に、直哉は健一郎に、稟は父親に、雫も健一郎に、そして藍は草薙一族に、明石亘は双子の姉妹と神父に、健一郎は鈴菜に
そして直哉の破壊と再生の物語とも言えます、ただ「サクラノ詩」だけだと完全再生までたどり着かないのでモヤッとする部分はありますね
真琴と稟の家族関係の和解や直哉が描けなくなった理由にたどり着くまでも非常に重いのですが特に三章の里奈と優美の性別を超えた骨子にあたる恋愛描写が秀逸
勿論、弓張市の千年桜の話や中村家の伝記部分は弓張の因習問題も絡んできてかなり読み応えがあります、単純な絵画や哲学におけるストーリーではないと言うのが骨子かと
それ以上に性別を超えた愛、里奈里奈言っていた優美の失恋に当たるエピソード「ZYPRESSEN」は数ある作品の中でも良く書けていたなと思います
ただ伝承や伝記、そして性愛が絡んでいるので一周だけ読んだだけだと胸のつかえが若干ありましたねそのぐらい大ボリュームでした
雫ルートはそれまでの個別ヒロインたちの総集編みたいな出来で非常に丁寧でしたし、直哉が絵画に向き合うエピソードとして良かったですし、
弓張市に伝わる「千年桜伝承」は願いを叶えてくれる万能の存在であるもののそれを犠牲に大切なものを奪い取っていく
このこってこての美少女ゲームらしさが非常に良いです、非常に古き良き作品の根っこの部分をきちんと捨てて居ないのもポイント高し
4章は結構な因習モノ、どれだけ章一が伯奇に取り憑かれていたかという部分を含めて主人公を健一郎とし、愛しい女性で後の直哉の母となる鈴菜との馴れ初め話になりこれもこれで非常に良かったです
そりゃあ健一郎が伯奇である雫をN.Y.に避難させて遠ざけていた理由もひどくわかるエピソードでした
3章ヒロイン攻略順は真琴→稟→里奈(&優美)→雫→その後で固定
「素晴らしき日々」もエピソード事に由岐・卓司・ざくろ・皆守と言う感じで視点の切り替えは行われていましたが
あれは同一人物内の視点切り替えもあるのでなんとも言い難いんですけど
ヒロインたちとの交流を深めた後の加速度的な物語の盛り上がりは最高でした
しかし、不幸が重なり天才が凡人に堕ちていく姿がしんどい部分とそのしんどい部分を優しくすくい上げてくれる夏目藍の存在がすんげぇ心地良いんです
今まで草薙家の人々が夏目(中村)一族を救ったからこそ、藍はその恩を返すためどん底の直哉を掬い上げるこの構造が聖母でした
この苦悩はこれから「サクラノ刻」が始まってさぁ直哉の再生を味わうぞ!と言うカタルシスだろうなと言う部分を併せ持って控えめに最高だったとしか言いようが有りません
藍が好きな人は本当にこれだけか?ってなるのでやっぱり「サクラノ刻」が楽しみです
ブランド・ジャンル・プレイ時間
- ブランド:枕-Pillow-
- ジャンル:「幸福の先への物語」
- プレイ時間:35時間ぐらい
シナリオ
天才芸術家であった草薙健一郎の息子で、同じく天才櫻の芸術家である草薙直哉は父親の死をキッカケに天涯孤独の身になる
そして夏目の家で一緒に共同生活をしないかと教師である藍に提案され、悩んでいたところ草薙家のマンションも明石亘とのトラブルにより住めない状態に
しぶしぶ快諾したが夏目屋敷では藍や親友の圭、同じく末妹の雫も暮らしており順風満帆な春の陽を過ごすことになる
そこで幼き日に撮った写真を見つけ幼馴染であった御桜稟の事を思い出し、新学期を迎える
新学期が始まり、圭や悪友の鳥谷真琴と過ごしていた際に突然編入してきたあの写真の女の子、御桜稟がやってくる
「ただいま、なおくん」
そして新入生で妹分を自称する氷川里奈や里奈のことが大好きで男嫌いの河内野優美とも出会い人数不足で困っている真琴の口車に乗り美術部の手伝いをすることに
とある理由から絵から遠ざかり絵を描く気が無くなっていた直哉だったが美術初心者である御桜稟もや氷川里奈が美術部に加入することとなる為、手伝いとしてまた絵画と向き合っていく事になるが…
ストーリー・設定
グラフィック・音楽・演出の特徴
- グラフィック:狗神煌・基4%・籠目


とにかく美麗です、「Re:Graphic」ということもあり元々はアニメ塗りに近い作品でしたが旧作とはかなり違い現代風…と言うか水彩画風に
「ケロQ/枕」のあのパキッとしたはっきりとする色使いも嫌いではないというかむしろ好きだったのですがこっちはこっちで非常に良いです
- 音楽:松本文紀(Metrowing)、ピクセルビー、ryo
ピアノを主線とした綺麗な音楽が特徴的
頻繁に流れる「ジムノペディ」や「シューマン交響曲第1番」も非常に好きなんですがメトロノームのように音を刻む「音符は歩き出す」が個人的に好き
感動的な場面で流れる「櫻ノ詩」のイントロもくっそ良いんですけども
システム
- 解像度:FHDの可変式
これも酷く大きいです
初代は1280×720だったのですが可変式になりました
- システムの大変更
アルテミスエンジンに変更されて選択肢スキップ可能に
コレにより3章のヒロインたちの攻略が楽になった気がします
- 声優の変更
氷川里奈の声が藤森ゆき奈さんから猫村ゆきさんに
続編の「サクラノ刻」も猫村さんなので順当ではあるものの藤森ゆき奈さんが好きだったのでつれぇわ~感強く、ただ演技はかなり寄せてるのであまり違和感は無いと思います
全ヒロインシナリオ
Ⅰ章: Frühlingsbeginn

中原中也の『春日狂想』から始まる物語
弓張美術部の顔見世と言ったところのシナリオです
序盤の明石先輩の行動の意図や美術部員であるトーマスの行動の意図が取れなくてなかなか読むのに苦労するかもしれません
実際問題私が過去に「サクラノ詩」をプレイする上で何度も何度もリタイアを食らったのがここの部分
「素晴らしき日々」のⅠ章みたいなものですね、第1章“Down the Rabbit-Hole”は何だこの百合ハーレムプレイ?って思いましたからね
STORY Aで突然銀河鉄道に乗ってざくろと永遠の別れをするのもシナリオ複数回読み終えた後だと納得できる部分はありますが所見の癖の強さは相変わらず
幼馴染の御桜稟と妹系後輩である氷川里奈や川内野優美が美術部に加入する部分です
主人公である草薙直哉が何故美術から遠ざかっているのかも話として描かれませんし、とにかくとっつきにくいのはここかと
新年度のメンバーが揃い、美術初心者の稟や理奈たちに絵を教えていくという事で美術に戻っていく直哉
そして不穏な明石先輩の行動は?という感じで次章
II章:Abend
舞台は夏の弓張学園
美術部員は相変わらずの日々を過ごしていたが春先から謎の行動を取り続けている明石先輩
何を画策しているのか現美術部長である鳥谷真琴と草薙直哉は行動の裏取りをする為に躍起になっていた
明石先輩の姉妹で双子の小牧と小沙智の日曜学校に足繁く通っていることを知り物事は動き出す
ここからがすかぢの独壇場といいますか、気合い入りまくっていて感動しました
小牧と小沙智がお世話になっている教会神父の為に若き草薙健一郎が送った壁画である「櫻達の足跡」を完成させること
死が近づいている神父に対する恩返しと小牧そして小沙智が幼き日に見た「千年桜」を再現させるためにも「櫻達の足跡」の製作に取り掛かる美術部員たち
深夜に乗り込み壁画を完成させると言う若さ溢れる無鉄砲な行動ですが非常に良かったです
一面に彩られた「櫻達の足跡」はまるで草薙直哉が幼き日に描いた「櫻日狂騒」にも負けない作品に仕上がった、という話
「やれやれ系」主人公に思えた直哉なんですがものすごく根が熱くて他人思いの部分も非常に良くこちらが恋しそうなぐらい熱血でそりゃヒロインたちが惚れるわなぁと理解するぐらいでした

明石先輩との慟哭も胸を打つ1つのシーンであります
読み進めなければタダの奇人かテンション合わねぇってなりますから、すごい重要
Ⅲ章 PicaPica(鳥谷真琴)
全面的に鳥谷真琴とその家族、弓張学園を巡る中村家と鳥谷家、そして草薙家が絡まるシナリオ
学園長の上実母である鳥谷紗希と不仲の真琴
その理由と夏目圭の出生の秘密が関わってきます
刻の体験版をちょっとばかりやっていたので中村麗華と鳥谷静流の関係と「雪景鵲図花瓶」エピソードは体験版で語られているので麗華がただただ単に嫌な女に思いがちなので「Pica-Pica」やる前にやってほしいところでもありますね
圭に関してはだろうねぇとしか言いようがないオチではありました、あまりにも外見が似すぎていないところがポイント高かったです色々な意味として
真琴自体も市役所に飾られている直哉の「櫻日狂想」に狂わされた1人であり、それはまるで恋をするような-と言うのが実に印象的
だってずるいですよあんなの好きになっちゃいますよ
君を守るために世界を敵にしても構わないというものを否定するのが真琴らしいと言うかその堅実さ加減が非常に好きでした

【愛はあまりにも大きすぎて、他のものと共存することが出来ない】
そんな事をいいながらも自分の夢も恋も追って直哉と一緒に歩いていく真琴が非常に面倒見が良くて好きです
直哉は「幸福な王子」であるからこそ犠牲になる運命を持っているのですがライターが「浅生詠」先生ということもあって共に生きていくんですよね
犠牲になるわけではなく一緒に生きていく、この尊さわかりますかね?
最後の最後、鳥谷親子の不器用な和解も物語として引きが良かったですし麗華の出番は「刻」で死ぬほど描かれると思うのでそういった意味も含めて美しいシナリオだったかと思います
Ⅲ章:Olympia(御桜稟)
6年前に御桜稟が引っ越した理由と直哉が本格的に絵を描かなくなってしまった理由が詰められているルート
エロゲらしくむっつりスケベな御桜稟ちゃんとイチャイチャする反面、
謎の少女「スイ」が語る「Olympia」とはなんぞや?何故稟は引っ越したのか?直哉の過去は?と言った問題を一気に語ります
序盤は本当にむっつりスケベな稟ちゃんとはよ抱き合え!抱き合え!ちくしょー!みたいな感情を持ちながら稟ちゃんとイチャイチャです
しかし話の本質はそこではなくてキチンと断筆理由が存在していました
ただ「スイ」の存在は稟も見ているようなのであれ…?と思う部分も多々ありましたし、
稟が引っ越した後直哉に対して何回も何回も手紙を出しても届かなかった理由等々は納得でした
そして地味幼馴染の長山香奈の存在、麗華がPicaPicaの悪役ならばOlympiaの悪役は彼女と言っていいでしょう
ただ香奈の悪女と言うか悪女になれない部分が個人的に非常に刺さりまして、これも「刻」で楽しみの部分といいますか…
彼女もまた「櫻日狂想」と草薙直哉に狂わされた人間と言うのがまた人ったらし
イチャイチャの裏で壮絶な直哉の苦しみが地味に好きですし、幼き稟が背負った苦しみや親との和解もエロゲーチックではありますがまあまあと言った所

自分を犠牲にしても稟を守り抜くと行動した直哉の姿も好きなんですが、直哉に対する未練がましい思いを吐露する稟ちゃんも好き
家族周りの話は稟ちゃん壊れているのですが、それが直哉に対する罪悪感故の忘却っていうのがまたね…
彼女も彼女で美術初心者と言っては居るものの血縁的に絵画モンスターになるんだろうなって部分も楽しみです
Ⅲ章:Marchen(優美&里奈)
川内野優美と氷川里奈と草薙直哉の関係…に加えて千年桜と恋する気持ちが咲いていくのか明かされるシナリオです
過去の中村家の伝記部分と合わせて優美の歪んでいた里奈への気持ちが変化していくのを非常に丁寧に描写しているシナリオだったかと思います
語りたいことが多すぎて一変だけだと正直書きにくいまであります
「素晴らしき日々」のざくろと希実香を思い出す部分もありましたね、あっちは河内野優美のようにド直球のセクシャルマイノリティでは無かったですが
ただ似ている部分も多くていじめられる対象と守る対象とか細かいところで化学を使ってざくろ(里奈)を守ろうとする部分とかストーリーライン的に似ている部分は本当にあります
大嫌いだった氷川里奈の匂いが大好きな気持ちになっていくのは彼女が発していた「死の匂い」だったと思うのに彼女の優しさに触れて、感じて戸惑って
先に百合ルートを見ましたが言葉で表せないほどの溢れんばかりの「愛しい」描写でした

直感的にこの子に恋をする、なんて滅茶苦茶綺麗なんですけど歪んでいるんですよね、当初の気持ちはレイプに混ざりたいぐらい嫌いだった子な訳ですから
そして里奈
死を感じているからこその公園の取り壊される遊具に描いた本当の本当に直哉の最後の作品「ZYPRESSEN」に生を感じ、直哉を慕っていく姿を優美の視点から描かれるわけです
これがもどかしい、すごくもどかしい
好きなのに好きな人は別の人をずっと見ている
その相手は自分の最後の作品を相手のために作り上げた
その視線は自分には向けられない悔しさ、悲しさ、それでも諦められない少女の恋

Marchen(百合ルート)で想いが叶って「あばよ、でくのぼう」で桜日狂騒を投げ捨てて終わるのもかなり自分には刺さりました
だってやってることとしては直哉の博愛精神が行き過ぎてる部分すら感じ取れたから、というのもあります
直哉があまり出てこないからこその過去描写の丁寧さと出てきた直哉の無敵感が強すぎるのもまたいいところ
Ⅲ章:ZYPRESSEN(氷川里奈)
問題なく直哉と結ばれた里奈、ほぼ優美のお前の博愛精神で里奈の心を捉えてしまった
私ではそれはできないんだ…いくら里奈が好きでも…って3人のデート後に激情するのですがやっぱりその思いが非常に好きです
Marchenで結ばれる二人の幸せを見るのも良かったですが、里奈の人生を彩った草薙直哉という男を超えられない、だからこそ2人はくっつくべきだと
結ばれた後の直哉と里奈のイチャイチャもやっぱり良かったですね、妹的存在から草薙直哉の弟子を自称するようになる里奈も好きですし、やっぱり出てくる長山加奈

絵の描けない草薙直哉なんかジャンク品じゃないか!と言いますが弟子の里奈が直哉さんの右腕になって絵を描き続けます、という話
中村家の伝承はまあうん、エロゲチックな感じだったと思います
かなり優美と里奈の恋愛感情をねっとり描いている関係上直哉と里奈の恋愛関係は薄味(それでもイチャイチャする)だったかなともとれますし、
レズだから私好きな男とか作らないよって最後の最後で負けヒロインする優美の姿も好きですね
Ⅲ章:A Nice Derangement of Epitaphs(夏目雫)
夏目雫こと草薙葛と生前の草薙が主役の過去のエピソード
夏目健一郎が死ぬまでの話と、どうして直哉が健一郎の遺産相続を断ったのか、そして夏目雫の謎を一気に解読できるのがこのルートとも言えます
何と言っても健一郎がかっこいい
彼もまた絵を愛し、「生きること」を愛していた人物でもあります
そして伯奇伝説や中村家の伝承部分と家族問題もしっかり関わってくるのがここのポイントかと
はじめばかりは氷川里奈や河内野優美が夢をみる関係もあって伯奇ばかりは里奈で義貞が優美とばかり思っていたんですよね、そこが大きいミスリードで
あの2人が弓張市の伝承を司ってるわけではなく本当の所は夏目雫が伯奇であり、人の夢を喰らうことの出来る100年振りの人物であるということ
中村家は代々妾に妾を作り、代々伯奇の力を持つ子どもを産ませていたということ
雫の感情が薄いのは伯奇であり人間の悪夢や淫夢を全部吸い込んでしまう巫女であるからとなります
夏目健一郎はそれを知っており、雫を草薙葛として育てていたが死期を悟った健一郎から葛を中村章一から守るように託され…
夏目の家でイントロで過ごすことになっていた直哉にやたら雫が懐いていた原因は雫と共同生活を営んでいたからという理由で酷く合点がいきました
能力を持つ夏目雫に関して喉から手が出る程欲しがっていた中村章一は汚い手を使ってでも取り戻そうとするのですが、健一郎と直哉と明石先輩が雫を普通の人間として守るため一芝居打つことに
その打つ手は草薙健一郎の代表作である「櫻七相図」に連作があると言うことを吹き込み、直哉が草薙健一郎の代理として櫻が朽ちていく果ての姿まで描くことになっていく訳でした

健一郎の作品としても見劣りしないその作品は死期の近づいてきた健一郎自身が名前を付け実際に健一郎の作品として完成させます
約6億円相当の価値がある絵画として中村章一に作品を精算し今後一切雫や直哉に近づかないことを約束させる、ココまでが過去エピソード
稟の話以上に中村家とペテン師と自称する健一郎の話が強かった
明石先輩もこの話に噛んでいるのならばそりゃ直哉が2章の「櫻達の足跡」の製作の手伝いをするわけだなと
刻の体験版1章で麗華の方は「雪景鵲図花瓶」の贋作に騙されてしまうわけですが章一も章一だなというのも本心
地味に稟が健一郎の一番弟子で直哉以上の絵描きというのも驚きでしたし、稟と雫がやたら仲が良いのもここで納得させられたところはありますがその忘却の理由はトラウマとかではなく稟が咲かせた千年桜の能力というのもあまりにも残酷
何故スイが生まれたのか、直哉が千年桜を生み出したわけではなく無邪気な子ども心というのも苦しいものが有りました
勿論、伯奇としての雫を守らなければならなかった気持ちと桜を咲かせてしまった弟子の稟の恐るべき能力を理解していなかった両方を見ていた健一郎も同様です
そしてスイとの別れも含めて美しかった、
それを見て直哉が絵画を描き始めようと歩き出す決意も含めてですが
個人的に雫ってあんまりメインストーリーに絡まないんだろうなって思っていたので千年桜伝承含めて驚きが大きかったのと、奇跡を起こす代償として千年桜は大切なものを奪っていくと言うとても美少女ゲームらしい踏襲を行っているのも好きな一点です
IV章:What is mind? No matter. What is matter? Never mind.
今度は時が巡り巡って草薙健一郎視点
元々は弓張学園の美術非常講師であった彼と真琴の母親である中村紗希(離婚前)との話
そして「埋木舎」(小音羽)で暮らす後の草薙健一郎の妻鈴菜とその妹の藍との振り返りのシナリオと言っていいでしょう
なんというかまぁ恋愛に彩られた物語ではあるものの実質的には後半健一郎が中村の家の囚われの身である鈴菜とその妹である藍を救うために動くという感じ
はじめは懸想人であった鳥谷紗季を中村章一に寝取られたと言う反骨的な理由や中村鈴菜への同情だったのかもしれません
それでも「オランピア」を完成させたのはただただ同情などでは無く鈴菜への愛情が存在していたと言う部分は間違い有りません
散々夏目の屋敷で直哉が「オランピア」について触れているのもここで回収されるので納得です
実際問題、中村家の慰み者として鈴菜は扱われていたのであながち娼婦というのも間違っていないというのも辛い所
「素晴らしき日々」のような直接的な描写はされていませんがまぁ幼い藍を守るために体を差し出している様子は軽くですが語られていますし、章一が伯奇に取り憑かれているようにインブリードを重ねているわけなのでまぁさほど間違いはないはず
ストーリー的に藍・圭・雫の3人は異母兄弟であるというのも多分ここらへんかと、藍の実質的な血縁者は鈴菜と見ていいと思います
健一郎は鈴菜と藍の為に死力を尽くした、それがどんな形であっても
藍先生が健一郎の事を悪く言わない理由もここで回収されてましたね、そりゃそうなるわって言う
ただ死力を尽くした細かい部分に粗はあれど健一郎の実直さがかなり刺さりました
絵なんか描いた当時評価されないんだよって言うのは当にこのエピソードに詰まっているかと
駆け落ちした、とはありますが結局非常講師を首にされたのも中村章一と鈴菜と紗季の話があるんだろうなとは考察ができます、こちらも直接的な描写はされていませんけれども

実際問題鈴菜が亡くなった後に描かれた作品で名声を上げるわけですから、酸いも甘いも噛み分ける健一郎の若さ余っての行動から亡くなる直前に振り返りウィスキーを開けるシーンが本当に最高でした
ちゃらんぽらんな性格な健一郎とちゃらんぽらんで健一郎の後を継いでいるような若田先生も良いなと思った次第です
死を目前にしているのにも関わらず幸せそうな健一郎はやっぱり鈴菜を心底愛していたんだろうなとも予想できますし、その愛する鈴菜の産んだ子である直哉は宝物であるんだなと
こればっかりは直哉喋っている様子では無いので知っててほしい部分と父親として秘めていた思いを重ねてエモいと感じました
V章:The Happy Prince and Other Tales.
季節は巡り、また直哉の物語に戻ります
長かったⅢ章を越え誰とも付き合っておらず最後に発表した絵は「櫻七相図」であり、最後に描いた作品は氷川里奈への「ZYPRESSEN」
今度はムーア展に向けた圭(+藍)との物語、そう言えば軽口を叩く中でしたが実際圭との話は無かったなと感じました
一気に芸術の話になりましたが、無理をする圭と付きまとってくる長山加奈、そしてジャンク呼ばわりされた直哉は本物の天才であるスイを呼び出し2人で夜のプールに忍び込んで天才と落ちた天才同士の絵画対決を始めるのが前半です
スイも絵を描くことが出来るのかというポイントと凡人であると自分を認め、それでもまだ直哉と絵の戦いを挑もうとするハングリー精神溢れる長山加奈の姿を見ることが出来ました
凡人なら凡人なりの戦い方があると言う加奈の姿は「絵画」だけではなく「音楽」や「勉強」にも通じるものがあるよなーと思って読んでましたね
音楽も上には上が居るし凡人は凡人しかできない演奏を自分はしたのを思い出したからって言うのもあるのですが(自分語り)
多分この章はいろんな人に刺さると思います、どんな土俵にしても絶対的な壁に立ち向かって敗北した経験があれば尚の事
もう一人の挑戦者が夏目圭その人
圭は直哉の右腕の事を知りませんし、再三絵を描かなくなった理由を序盤の章で聞くので…
プールで絵対決をした後、やはり絵を描くことを決意した直哉
そして不眠不休で絵を負けじと描く圭の熱にも押されムーア展に立ち向かって絵を描き出すのは当に出立と言っていい物語でした
そしてムーア展で表彰されるストーリーも素晴らしい
ただ一点を除けば

エラン・オタリ賞に選ばれたのは直哉ではなく凡人であった圭の「向日葵」
しかし、圭はその表彰台に登ること無く終わってしまう
少女を守るため事故にあったという非常になんとも言えないお辛い展開です、勿論それからの「無」になった直哉を見るのもですが大切な弟を亡くした藍も同様
櫻の芸術家が描くのは「蝶を夢む」
蝶々の群れに透明な海の周りに存在する渦潮、その渦潮に呑まれそうな蝶たちから直接的に描写しないで作り出す「死」というのもまた辛い
奇跡も魔法も千年桜も無いからこその「喪失」
これまでは何かを代償に千年桜が奇跡を起こしてきたからこそ圭の喪失はあまりにも大きく切磋琢磨できなくなって止まってしまう直哉の姿の辛さ、藍の悲しさも行き場もないって感じなんですよね
慰め合う関係っぽく見えたところもあるのですが藍の底しれぬ深い深い愛情がくっそ染みました

藍の母親にも女にもなってやるさ、はもう最高すぎる
大好きだった鈴菜姉、大好きだった鈴菜姉の旦那で教師を目指すきっかけとなった健一郎、そしてその息子
数ヶ月だったけど夏目屋敷で過ごした圭と直哉と雫と藍のかけがえのない日々
立場を考えるとそりゃそうなるわ…って感じなんですよね、ただ本当にこれはバッドエンドに近く本質の方はまた違った演出でしたね
最終的に選ばれたのは御桜稟となるのがまたゾクッとしました

ただただ直哉の隣に立ち続ける恋するだけの少女が千年桜の奇跡を自分で解決し、スイを受け入れ凡人から天才に羽化した蝶々
草薙健一郎の一番弟子である娘が天才だったはずの草薙直哉の1番のライバルになるというのもまた運命は残酷だなという印象で
切磋琢磨したい相手はもうこの世界に居ない
才能が開花した天才といろいろな意味で堕ちてしまった天才である幸福な王子はこれからどう物語を紡いでいくのか、酷く興奮しました
神は天才を地上に置いていかないんだとも語られていましたがあまりにも残酷過ぎる
健一郎、直哉の右手、そして夏目圭
美しい世界で語られるからこその残酷さがまた沁みます
VI章:櫻の森の下を歩む
数年が経過し、弓張から卒業した後、藝大に進んだものの燻って面白みのない男になってしまった草薙直哉を皆で支えながら取り戻そうとするエピソードです
確かに終わりとしては美しかった、酒を呑んでゲロ吐いて生きる苦しみを味わって抗っている直哉はもう”天才”じゃなくなっていた
またなんというか皆と散り散りになるのがリアルなんですよね
直哉の周りに居た稟も真琴も雫も圭も里奈も優美も居ない
その上あの美術部は廃部になってしまったからのブルバギの一味である長山加奈
そして「櫻達の足跡」を勝手に改造されて作り上げた「櫻達の灰色の足跡」
どれも胸が苦しくなるばかりだったのですが桜子や里奈の妹であるルリヲ、優美の妹である鈴菜たちと作り上げたステンドグラスのエピソードは最高でしたね、単なるバッドエンドで終わるかと思っていたので
トーマスには殺意覚えましたけども

そして帰って来た夏目藍、そりゃ泣けるわ…
直哉は恩田寧の事も忘れてるっぽいですが寧も多分美術部入ってくれるんだろうなって読みを考えると直哉の青春が戻ってきた感があって
リスタートと言うかあの黄金時代が戻って来る!感が非常に良かったです
Append Disk
二つの蝉の屍骸と絡み合う二つの冬虫夏草
すかぢ先生といぬきら先生の同人誌で描かれてた里奈と優美のふたなりモノです
2人に生えてるふたなりは…正直ホモでは?
一応、里奈に挿入する優美もあるのでホモとも言い難いとも思うんですけどやっぱりそのジャンル自体が割と特殊というか
伯奇と義貞の思いを呑みすぎた2人が繭の世界に閉じ込められるという一応(?)設定もありますし、Merchenルート派生みたいなものと思います

精神的な結びつきと言うかキチンと里奈からの愛情を受けてたのもいいですね、Hシーンもかなり激しいものはありました
ただ「サクラノ詩」でそんなHシーン欲しいか?と言われるとうーん
そもそも玉付きふたなり自体が自分的にはうーんなので、はい
The Happy Princess and Other Tales

本編でありそうでなかった御桜稟とのイチャイチャな日々「Olympia」後のエピソード
両手を骨折した直哉を稟が介助しながら同居する…と言う結構よくあるシチュエーションでしたがこちらもオホ声ありましたし、頭脳も良く顔も良く絵画も描けるハイパースペック娘なので忘れがちですが御桜稟ちゃんかなりエッチなので同居しながらお互い禁欲生活を続ける…ってやつですね
ギプスが取れた後のひたすら淫靡な日々を送る性活、神か??
介助と言いながら直哉のオホは流石にどうかと思いましたけどまあ圭とBLしたわけじゃないしいいか…
本当にどっかの柑橘系メーカーみたいなイチャラブを見せてくれたのは感謝しか無いです
アペンドストーリーに関してはどっちも「J・さいろー」氏監修か?と思うレベルの激しいHシーンです
そうなんだよなぁ、なおくん大好きな稟ちゃん時空が好きなんだよなぁ…絵画モンスターになっちゃうのが本当に悲しいんですけども…
おすすめルート
恋愛軸として読むのならば個人的にはⅢ章の「ZYPRESSEN」並びに「Merchen」
伝記物として読むのならば「A Nice Derangement of Epitaphs」
挫折からの再生は「櫻の森の下を歩む」
共に歩んでいくなら真琴、幼い頃の気持ちを守り続けるなら稟、守ってもらうなら里奈、逆に守るなら雫、高め合うなら加奈、清濁併せ呑んで見守ってもらい共に歩むなら藍
上手く出来てると思いますね…
| </td> | サクラノ詩-櫻の森の上を舞う-9,345円 |
後は枕とケロQ関係のゲームですね、向日葵と教会の長い夏休みや灯穂奇譚のプレイですね、ケロQと枕ゲー強化週間にしたいと思います
勿論、3度目の「素晴らしき日々」もやりますが!



