パルフェ~ショコラ second brew~ レビュー

 十年ぶりの感謝の気持ちと、十年たっても色褪せない恋愛ドラマ

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 総評

とんでもなく面白かったです。

いらないキャラが居ない。皆可愛い。でも皆何かしらを抱えてる。それを乗り越えて、幸せを手に入れようとする姿はたまらなく愛おしくてたまらなく切なくて、終わってしまってからの虚無感がヤバイです。

十年前はこのルートでこんな思いしたっけ?という第三者的な意見と、ああ、十年前と変わらなくこのシーン好きだ、とか。当時のこと思い出してプレイするのも楽しいし、当時とは違った感想を持てるのも楽しかった。

何故、「花鳥玲愛」と「夏海里珈子」が神格化されてるのか、とかあまり当時はわからなかったんですよね。特に玲愛の方。いや、むっちゃ良かった。

ただ、本人のルートよりも由飛のルートで輝きすぎて、やっぱり好きなシナリオは「風見由飛シナリオ」なんだよなぁと再確認させられたりね。

家族」というのをテーマにしているけれど家族だけに囚われず、「天才」と「凡人」の差を見せつけられたり、天才は天才なりの苦労があったり、凡人なら凡人なりの苦労を見せつけられたり、「家族」を優先させてしまい、一番になれない「天才を演じる凡人」の姿など、当時考えなかったことだらけですよ。

そして、Kanonじゃないですけど「選ばれなかったヒロインの悲劇性」とかね。

ここからWA2に繋がるのかな?(一応「こんにゃく」も含めるんだけど)と思わせるシーンもあるし、丸戸史明ゲーをプレイしてたり、「冴えない彼女の育て方」を読んで「あるあるネタ」を回収できたり。

後、丸戸史明と言えば「ダメな女」ですが「何か過去に因縁がある」タイプは「夏海里珈子」、「だだ甘やかして駄目な女(黒ストッキング枠)」は「杉澤恵麻」なんだよなぁと。枠が二つもあったとは思わなかったぜ。

Re-Order追加シナリオ(Parfait au Chocolate) について

 これも文句なし。多分ショコパルVFBに載ってたやつ?をADV化しただけだと思うんだけど、どのシナリオも文句なし。

ショコラサイドの玲愛の髪の毛をツインテールにするのは多分読んだと思うんだけど、ショコラサイド、どの子も嫌いになれない!んですよ(いや実際は眞子さんとかさやかさんあたりは正直面倒臭いなと思いますが)

楽しかった。ほんとに楽しかった。そして切なくなった。あーVitaで買おう。

 新規キャラの瑞菜と美緒(丸戸史明キャラじゃないので期待はしませんが)Vitaの解像度(960×544px)でのパルフェは見たいですね。

 音楽

 Re Order版と初代版と存在してるのですがあんまり違いは感じられなかったかな。

強いて言うならRe Order版のムービーより無印版のムービーのほうが好きです。

キャラクター

やっぱりシナリオは裏ヒロインの「夏海里珈子」でしょうか。

でもやっぱり自分は「風見由飛」が10年経っても大好きです。

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バカだけど。ウザイけど、彼女が居なかったら新ファミーユブリックモール店じゃないと思うんだ。

涼波 かすり:すれ違うバカップルの悲劇と天才に嫉妬する凡人

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まぁ一言で言えばカップルのバカップル劇です…って多分昔なら言っていた、であろう。
そのカップルが生まれる事によってパルフェって悲劇性を出してるんですね、二週目やってて気づきました。
特に、ラスボス里伽子様。

「本当に仁は受けないの?」
「 もう一緒に卒業は出来ないんだ」
ま、いいか学年は違ってもこいつと「友人」であることは変わりはないんだから、な。
「かすりさんと付き合ってる…の?」
「はっきりしないわね」
こいつがそれを言うか。誰のせいで告白が臆病になったと思ってるんだよ
(中略)
「かすりさんとちゃんと付き合うことになったら報告してね」
「あんたと好きな子がうまくいくように微力を尽くさせてもらう所存でございます」
「なんだかなぁ」
「言っておくけど、本気だよ。私、あんたにはうまく行ってほしいから」
まだ、友達でいてくれるだけってでも、ありがたくて嬉しくて、申し訳なくて…
(中略)
「今度こそ幸せになりなよ!…あたしが言うのもなんだけどさ」

ここが夏海里伽子の”いい女性”っぷりというか、彼女が結局のところラスボスであり、カトレアと二大キャラになっているポイントなのだと思うのですよ。
里伽子がここで動かなかったらもっと泥沼化(恵麻ねーちゃん)するんだろうし、逆にここで話し合っていなかったらバカップルのすれ違いは起きなかったと思うんですよね。
対して、かすりは若干元カノであった里伽子に嫉妬し、恵麻の(パティシエール的な部分)天才っぷりに嫉妬してしまう。
ここがこのカップルの”すれ違い”なんだと思いますし、このズレからはじまる歪な関係がパルフェの醍醐味、の一部なのではないでしょうか。
嫉妬、というのは明日香ルートの中でも感じられ(歌は上手いが会計になるとトンと駄目な由飛を指す)、特に由飛&玲愛のシナリオでは顕著に現れてますよね。
そして、curioに行ってからのバレンタインイベント。まぁバカップルのバカップルの為のバカップルの大告白大会なわけですけれども、

「共存共栄。うちの本店の店長(つまり結城大輔)が言うんだよ、競争なき所に成長は無いって。僕も同感」
「それでうちの弟とかすりちゃんの恋に口をだした?」
(中略)
「はぁ~バカですね~」
「うん、ヘタレのバカだね」
「結局あの二人は似たもの同士だってこと?」
「うーん。否定しがたい」

ある意味、由飛と明日香にここまで言われると言うのもある意味痛いよなあ、”仁クン”
明日香は納得できますけれども、如何せんあの由飛に言われるのはキッツいなぁ。
後、パルフェのメンツが非常に大人の私考、里伽子という壁トラウマを傷つけないよう、仁と接しているのもポイントなのだと思われます。

雪乃明日香:小悪魔スコット、大人と子どもの境界線

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明日香も旧ファミーユ組です。なので里伽子と仁の関係も周知の事実だし、恵麻のことだって知ってます。
ファミーユ組の中一番里伽子と対等、大人な思考なのではないかと思うのです。年齢がOUTなだけだ。(ズバリ)
序盤、やたらと由飛につっかかってくるなーと思っていたんですけど確かに今見ると由飛の存在がウザイいです。
接客センスはずば抜けている。人は呼べる。だけれども会計できない。
「里伽子え○ん」のイベントなんか正にそう。里伽子が影となってファミーユを支えてる実情を個別の前の共通ルートで必ず選ばせて見せてくる当たりが卑怯ですよね。
そして、「もう、しょうがないなぁ、仁は。」で閉められてるという、おいしいヒロインでもあり。
明日香はファミーユ組の最年少であり、バイトも午後からしか入れない未熟者。贔屓目に見ても里伽子の経営センスや恵麻のパティシエセンスにはまるで敵わない。
ならば。ならばどう恵麻や里伽子と同じフィールドに上がれるか。
天才に対し、明日香は知恵を働かせて「ファミーユのマスコット」であろうとする。
考えればおいしいポジション(ファミーユ組からも愛され、仁からも愛されることが出来る)なのですが、仁の真の愛を受けることが出来ないし、受けてしまったら里伽子から見ても「可愛いマスコット的な後輩ちゃん」からライバル認定されてしまう可能性も無くはない。故に「可愛いマスコット兼後輩ちゃん」
あくまで一歩引いた視点で、尚且つラスボスの里伽子からライバルとして見られないようとするあたりが皮肉にもうまいなぁと思ってしまうわけです。
しかし、学園祭のイベントで「マスコットであり頼られる雪乃明日香」の姿を保てなくなる。

お願い、助けて、助けて、てんちょ…?


これこそまさに「大人と子どもの境界線」なのではないかと思うのです。
この「助けて」が言えず苦悩してしまうのが某小春希ちゃんなのですが…。
一度考えてみたのですが里伽子も仁に対して一線引いて、逆に仁も里伽子に対して一線引いているからいい女であり、ラスボスなのですがねー。

近くに寄れば寄るほど 吸い寄せられちゃうんだ。キス、したくなっちゃうんだ

そしてちゃんと外堀を埋めていくという魔性の女なんですよ!

あれは自分で仕掛けた罠に自分でハマっちゃったの

なんという恐ろしい考えを張り巡らされちゃうわけで、ホント天才に敵わない凡人というか子どもなのだけど策を見事に貼らせてハマらせるというのは某初恋はまだでした!とマイクで告白しちゃうようなルートで溜め息ついちゃいますよ!そりゃなあ!正に小悪魔。

でも破瓜シーンで泣いちゃうような幼さもまた魅力のうちなんですよ、恐ろしい。
そして明日香の卒業シーンはやっぱり大人と子どもの境界線を表しているな、と。
ヒロイン勢から一言貰うのはまた胸に来ますなあ。

溺れても仕方ないね。

という里珈子のコメントがまた辛い。

そして家庭教師は里珈子が務める、という意味で二重に辛いんですよねぇ。

里珈子にとっては昔からの友人で、それを変わらない、変えられない友人からの頼みだったら断りづらいし、ましてや旧ファミーユのメンバーならばこそ。
ホント、パルフェはさりげない「毒」が入ってるゲームだとひしひし感じるわけですよ

花鳥姉妹

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花鳥玲愛:金髪ツインテツンデレはお互いを高め合う好敵手(ライバル)

パッケージヒロインの「風見由飛」ではなく何故、「花鳥玲愛」が人気なのか!?
ひとえに、ファミーユのライバルであり、由飛サポーターであるからかと思われます。
ぶっちゃけるとパッケージヒロインパッケージ裏ヒロイン(また面倒な表現を使ってますが)
由飛と玲愛は表裏一体。(攻略上としてもね)
じゃあなんで花鳥玲愛が10年以上過ぎた今でも愛され続けているのか。

ツンデレオブクイーンでいられるのか。

それは敵わない天才義姉に嫉妬し、凡人だけど、天才になろうと努力するそのひたむきな姿なのではないかと思うのです。
11/17の強制イベント「花鳥姉妹の真実」がカトレアの魅力を最大限出してる。
curioのパクリと言っていたが、仁の実情を知ってお互い努力家なんだと、ちゃんと素直な気持ちを言える玲愛はなかなか珍しいと思いますし、デレ、ですよね。
「由飛はファミーユの仲間」と知って若干寂しげなところもまた良いです。
しかし、突然の来訪で仁に対する呼び方の変化、「花鳥姉妹の真実」を聞かされた時の仁の反応と由飛の反応を裏で見ていたら

  • また天才である姉にすべてをとられてしまうのではないか

という彼女なりの苛立ちが見られます。それが相合傘なのではないかなと解釈してみたり。
また、風邪のイベントを見て向上心が異様に高く、プライドを持つ彼女の「弱さ」に惚れる人も多いのだろうなぁと思います。
オムライスのイベントも真っ当な人間(音楽だけの才能だった)になりかけてる由飛の事を認めてるのか、由飛を別の次元で見てるような気がしますね。
また仁自体が兄に勝てない「コンプレックス持ちの弟」というのもとても良い「動機付け」になりますよね。
そうすれば玲愛(妹)の罪悪感が引き出される気がしますし。

True

クリスマスイベントで由飛が弾き語りをしている最中、ドリンクを渡したり、ちゃんと真正面から向き合って由飛と話しあおうとする様子を見て、由飛と玲愛での二人だけの問題ではなく、三者の見解として由飛と玲愛が和解できるように仕込んだ「高村仁」のカッコよさも目立ちました。
また由飛にじわじわヤキモチ焼くところも可愛いですね。
ただ、和解後に由飛がちょろちょろ二人の邪魔…ではないですが出ずっぱりな部分があるので誤解するシーンなども存在してちょっと残念かなぁとか思っていたら
里珈子の考えだったって言うのが驚きでした。恐ろしい、裏ヒロイン。
このルートだと由飛は「仁の事好きだったのになぁ」と言うような感じがするんですよね。
里珈子は全面的にバックアップするとしても、由飛がちょっとだけ気の毒な感じはします。

お前の周りの世界はお前が考える世界はちょっとだけ優しいんだよ

元祖ファミーユを復活させて元々には居なかった、敵同士だった二人が恋に落ちて、周りの人から祝福されて、手を取り合いながら新しいファミーユを作っていこうとする優しい未来を感じられてああ、心地良い世界だなぁと。
ただ、やはりメインヒロインである由飛ルートよりパンチ力は低めなんですよねぇ。
個人的何故かと言うと由飛が「ピアノを弾けなくなった理由が解決されてないから」これだと、玲愛だけ幸せになって、玲愛と切磋琢磨しあい生きていく仁と玲愛には問題がないのですが某天才のお姉ちゃんがピアノを弾けるようになったとは考えにくいのですよね。
確実に玲愛の方がいい女だし、いい子だし、告白を無かったと言わないし、ちゃんと将来を見てるし、向上心も有るし、頑張ろうとする姿は流石、里珈子とタメを張るヒロインなんですが、如何せん玲愛ルートにはあまり思い入れが無いのですよね。
結局、自ルートよりも姉ルートで活躍する玲愛の方が健気で可愛らしいって事ですかね。
まぁ由飛ルートは姉妹丼みたいなものだしなー。

けど、攻略順もあるのかもしれない。

由飛を先に見てその後、玲愛を見ていたらまた違った見解に為ったのかもしれないのでVita版は買いますよ!

 

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風見由飛:風見由飛はメインヒロインである

まぁぶっちゃけちゃうと玲愛のTrue、強化版なんですよね。つってもカトレアがあまりにも偉大すぎて霞むけど自分は好きです。

彼女が居なかったら「新規のファミーユ」は生まれなかったわけだし、成功もしなかったかもしれない。
でも、「天才故の苦悩」と言いますか、天才ゆえの「義妹に対する罪悪感」、「家族への憧れ」だと思います。ひどいこと言っちゃうけどアスペっぽい。
告白を断っちゃうあたりとかね。
イベント、「給料日」や直接的に分かるのは「二人は仲良し?」(玲愛)なのですが、由飛が音楽から逃げたのはやはり凡人だけど人一倍努力を重ねる「玲愛」の存在なのでしょう。
早々に卒業して早々にcurioで「努力」し、支店のチーフマネージャーにまで上り詰められてしまった玲愛と養子なのに音大にまで通わせてもらい、ピアノを専攻してる音大生…のハズが玲愛への罪悪感とトラウマにより音大にすら行けなくなり、周りは知らないけれど休学状態にまで陥ってしまった。

「そうやって苦労を苦労と思っていない部分も尊敬に値すると思ってますよ?
私は嫌なことがあったら逃げちゃうから…正面から向き合おうとしないから…
だから、成長もしないし、いつまでたっても仲直りできない
(中略)
本当のお姉さんじゃないお姉さんが出来た時、嬉しかったですか?戸惑ったりしなかったですか?どうやって笑っていいかわかりましたか?
(中略)
ままならないね…大好きで、ずっと話したかったひとが、今までよりずっと近くなったからって…
それが幸せにつながるとは限らないんだから。

これが由飛の本心なんですよね。由飛は玲愛の事が大好きだからこそ玲愛の実直な努力や周りからの評価を受けて、天才だからこその「辛さ」を感じてる。
由飛は玲愛の事が大好きで、大好きだからこそ「ショパンエチュード作品25第1番変イ長調 エオリアン・ハープ」が弾けなくなってしまったという姉妹のすれ違いがとてもうまく描写されていたと思います。
確かに一生懸命ピアノの訓練を受けていたのに血の滲むような反復練習してもさらりと弾きこなせてしまう相手がいたらやはりピアノから遠ざかりたくなりますし、遠ざかる原因を作ってしまった。
特にバイトをはじめた理由も自己の成長や自分で汗水たらして真剣に金銭を稼いでいる玲愛とは違い、明確な理由もなく、深夜の喫茶店に入り込み「可愛い制服だ」といい、「つまんない恋」を一人で歌い店主に魅入られるというのもある種の才能ですよね。

ある意味不純とも言える理由からはじめてる訳ですし。
そして姉妹に亀裂を入れる事件に為ってしまった「ショパンエチュード作品25第1番変イ長調 エオリアン・ハープ」をたった一週間で完璧に仕上げる義妹、玲愛はかっこ良すぎです。
またちょこちょこ「家族ってなんなんだろう」という問いかけを由飛はしていたし、由飛の両親もよくある病気で亡くなっている。

実際問題、カトレアだってクリスマスイベント前日に問いかけてる。
由飛自体ファミーユで「家族のような空間」に依存していたかったから大学をサボってまでファミーユに依存していた。
だから告白を一度断ってしまったのかもしれません。

ある意味、最低な行為ですが、由飛は擬似家族に憧れていた(まー姉ちゃんと仁の関係)からかもしれません。
しかし、仁からしてみればキツイですよね。乗り越えられたからこそ問題はないのですが
告白のトラウマ(二度目)を植え付けられるとは。いやはや、恐ろしい天然天才。
玲愛こそがトラウマに思ってるのではないかと邪推してしまうのですが、真正面からカトレアが問題とぶつかって逃げないようにしたからこそ歪だった姉妹関係が正常化されたのだと思います。、
やはり姉妹愛だなという部分とファミーユの皆が由飛のために奔走する様子もやっぱり「ファミリー」だなぁと思うのです。
また、玲愛がピアノのレッスンを受けてる最中にcurioのシフトに入る仁も格好良いよね。
後、最後の最後に「まだ諦めてないから」という玲愛がまた嫉妬可愛いです。
そして、こうも考えられるんですよね。12/21にパイプオルガンを弾くわけですけれども由飛は

聞いてもらいたい人のために弾きたい

と。過去に「ショパンエチュード作品25第1番変イ長調 エオリアン・ハープ」を弾いていたのも現に楽しかったと言う理由付けはありますが、玲愛(と花鳥の家の皆)に聞いて欲しかったんじゃないかな、とも思うのです。
まさかそれが由飛と玲愛のトラウマになるとも思っていなかったからという由飛の浅はかさにも問題はありますが、自分の演奏で喜んでくれる人たち(ブリックモールのお客さん)や何よりピアノが大好きだからこそ演奏できるという部分も存在するんじゃないのかなと。音大の勉強はただ「勉強のため」であって、別に喜んでくれる人も居ないと言う理由で休学していたとも考えられるんですよね。
ラストに「つまんない恋」を演奏するところを見ると好きな様にピアノを弾いて好きなように皆から批評を受けるであろうがそれでも自分は幸せだ、と思えるある意味天才的なバカなんですけど、やっぱり誰かに対する思いを伝えるための「ピアノ」なのでは無いかと思うのです。彼女の場合。
他のルートで玲愛と和解したとしても進級できずにフランスに旅立ってしまうのでしょうか。
というかフランスに行く前に玲愛と和解できたのか、というのはちょっとだけ疑問。
玲愛の誠実さと由飛の誠実さは上手いぐらい咬み合わないですからねぇ…。
後、個人的にですが恵麻&里珈子ルートTrue大繁盛時でのイベントもかなり好きです。
まだ、玲愛と歩み寄れていないけれど仁から渡されたブッシュドノエルの欠片を渡すシーン。
二人共最初は「あっ…」と言う感じだったのですがケーキを渡されてその後あけすけに美味しいでしょ?頑張ろうね!と笑顔で話して去っていく由飛、由飛の優しさに触れて素直になろうとする玲愛、まぁその後「打倒ファミーユ!」って燃えるところも玲愛らしくて好きです。
負けはしないけど、どう思う?っていういやらしい板橋てんちょもね。

恵麻&里珈子ルート

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杉澤恵麻:初恋は終わらない

恵麻ねーちゃんも里伽子と同時攻略が鍵となるので里珈子の行動を見ながら、まー姉ちゃんのだだ甘っぷりを体験しているのはかなり気が引けて辛かった。
まー姉ちゃんはある意味亡くなって仁の越えられない壁、一人の元嫁で、似てる仁の事をつい追ってしまうあたりがホント丸戸史明ヒロインって感じですね。
正直、卑怯っすわ。里珈子との恋を応援しつつ、もうクリスマスイベントで無理だとわかった際、仁を甘やかしてしまう当たりが駄目ですよ。

どうして、こうなっちゃうの…

共通ルートでの里珈子をファミーユに誘おうとするシーンですが、元祖はまー姉ちゃんなのですね。雪菜では無かったとw

だってこの二年間ずっと、二人を見てきたんだもの。
態度を見せないリカちゃんに困り果ててる仁くんを。
微笑ましくって、寂しくって…うまくいくことを願って、でもちょっとだけ複雑で…

Hシーンがあまりにも背徳的でした。位牌を隣の部屋に置くとはな。流石にはじめの頃は罪悪感あったのかな、と。

まー姉ちゃんの進化系が雪菜なのかもしれないですね。
素直になれない二人の間を見ているか、義姉として優しく抱きしめてしまうか。まぁ結果的に雪菜も恋が実らないと分かっていても、春希を責めず春希の行動すべてを受け入れて肯定し、抱きしめてしまう。
まー姉ちゃんとの違いは背徳感があるか無いか、ですかね。

後、帰省後の里珈子との話し合いはどれをとってもビクビクしました。
仁を幸せにできるのは私だから、と言えるまー姉ちゃんすごい怖い。
そして、前の男(兄)に縋ろうと1日1本タバコを吸っていた仁がタバコやめるシーンも良かったですね。
まぁカトレアとのやりとりはあけすけだからこそ平穏を保てるというか。
明日香やかすりさんの旧ファミーユメンバーは里珈子とまだやり直せると信じてるあたりもまた辛い。

あんなに傷つけられたのにまだ好きなの!?

…人間割り切ろうと思っても割り切れないって時ありますよね。

バーで里珈子と呑んでるやりとりも辛かったけど、姉ちゃんに甘やかしてしまうとまた辛さが増すのです。

この「甘やかしてくれる唯一無二の存在」が「まー姉ちゃんの駄目なところ」かと。

本当のことを里珈子と話し合って、騙した里珈子も負い目は有るし、それから逃げるように「甘やかしてくれる」人の所に逃げてしまう心理も非常に辛い。
祝福してるのに泣いている里珈子に対してどう反応していいかわからないぐらい。
どのルートでも里珈子は祝福してくれるけど、恵麻だけは別だったという罠です。
まー姉ちゃんもファミーユが燃えて一人が亡くなった時崩壊しそうに為ってた訳で、それを食い止めようと躍起になる仁の気持ちもわかるし、二人姉弟を支えてきた意味では、里珈子が魅せる態度に対して誠実ではないと怒りを感じてしまうのもわからなくはない。
好きなら好きとハッキリ言って幸せになってくれってそりゃ思う。

言葉にしてもらえばとても楽ですし、関係を維持するしないも決めることができますからね。

絵麻は「天才パティシエ」であり、仁の唯一無二の家族であり、初恋の相手であって、幼い頃から仁の姿を見ている。

ある意味、里珈子が仁に対して恋人未満友人以上の接し方をさせて幸せにさせない、というところも姉兼初恋の相手としては許せなく見えてしまうのでしょう。

騒ぎになってファミーユメンバーからまー姉ちゃんを連れ戻しに走るところも良いですね。
必ず誰かが困ったときにかすりさん、明日香ちゃん(+由飛)が一言男らしいコトバをいうところが。
まー姉ちゃんが何故兄ちゃんと結婚したかという理由とかも全部。

初恋は終わらないんだよ、という話と、二度目の恋の相手に対する思いも。

そして里珈子への謝罪。

今は祝福なんて出来ないけど
いつか笑ってみせるよ
ちょっと二人を待たせるかもしれないけど、心の底から…
だから、よろしくね。めいわくかけるかもしれないけれど…一緒に、いてね

ああ、ほんとに里珈子は良い女だなぁ。
二年後にブリックモールではないファミーユを立ち上げてやっと三人が元の関係に戻れたと思いながら、

誰が諦めると言いました?

いけしゃあしゃあと言う里珈子はやっぱ好きですね。

どうやって腕復活させたのかは気になるところですが、これもある種の三角関係みたいなものですしね。うむ。

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夏海里珈子:しょうがないなぁ、裏ヒロイン

都合のいい女と都合のいい関係をずっと保とうとして、結局保てなかった素直になれない若者二人の素直になれない物語が里珈子ルートであると思われます。

素直に里珈子自身自分の思っていること、体験したことを吐き出してしまえば、こんなつまらない関係は終わっていただろうし、まー姉ちゃんを挟んで三角関係に陥ることも無かったでしょう。

そして、仁もそれをうまく受け取ってファミーユの運営の手伝いをさせていた、というのは酷いです。
正直、都合のいい「友だち関係」で保とうとするって言うのは個人的な体験談として無理ですわ。
何か言おうと思っちゃうと、思いが溢れてくるし、元好きあってて友だち関係って言うのは、まだ恋愛感情を抱いている相手にとって残酷で有り、嬉しい時間であり、過ぎ去ってしまったらただの後悔しか残らない、傷になって、それでも友人関係を保とうとするなんて言うのは相当割りきらないと無理ですよ。

ただし、共通ルートでファミーユの運営にちょこちょこ意見を出してしまうのが多分「夏海里珈子のだめなところ」なのだと思うのです。
それも酒が入ると変わっちゃいますしねー。
恋人関係に為ってからのだだ甘える里珈子はたまらなく可愛いです。
今まで感情を抑えて抑えてファミーユの裏を支えてきた人物の一人であるからかもしれないんですけど。
ただ、仁が一番に考えるのは

家族であり絵麻姉ちゃん

という部分が里珈子として引っかかってる気がするんですよね。まー姉ちゃんが言うならしょうがなく自分の意見を変えてしまう。確かに未亡人であり、初恋の相手のまー姉ちゃんを尊敬してしまうのは理解できるし、それが家族愛なんだよ、と言われれば納得はできます。

でも、つらい過去を背負っている里珈子としてはまー姉ちゃんを越えなきゃいけなかった。ここで花鳥姉妹の比較の用に考えてみると、

里珈子は天才である。しかし、家族という存在には勝てない。

しかし、明日香とかすりさんはなんて良いメンバーなんだよぉ…。

くそぉ、他人のルートで輝くなんてズルいぞ、涼波かすりぃ…。

まー姉も確信をついて弟を応援するところもすごい良いですね。

繰り返しちゃ、ダメよ。

もう、姉ちゃんのことは放おっておきなさい。
リカちゃんのことだけ考えるの

結果的に恋人を優先するか、その他の大切なモノを優先するかと問われて、「恋人」と答えれない人は駄目だと思います。
いくら勉強でも、家族でも、親友でも、やっぱり「恋人」だったら「恋人が一番」で居たいっすよね。
それに対してしょんぼりしたり悲しい思いをしたりして電話すらかけれなくなってしまう思いとかすれ違いとかってすっごく簡単に起こりいるものですからね。
里珈子に対するだだ甘やかせる行為を隣人(玲愛)は聞いてたわけで、それとなくおそらく由飛と話したであろう様子をみると案外花鳥姉妹は仲良く元の関係に戻れたのでしょうか。
里珈子の隠していた大きな秘密。このせいで里珈子は距離をおいていたと察した後、普段のクールで格好良い里珈子がみせる
「本当の里珈子」がたまらなく愛おしいです。

全部終わっちゃうから!あたしと仁の関係、無くなっちゃうからだよ!
いっちゃったらきっと仁立ち直れない。優しいもん、傷つき易いもん、打たれ弱いもん!あんたにそんなこと背負わせたくないよ!
言っちゃったら、きっとあたし、もうとまらない。溜めてたこと全部噴き出してきちゃう、仁に、酷いこと言っちゃう!
そんな黒いあたし…見せたくないよぉ…

クールで格好良く、天才に見える里珈子も実は努力家で凡人だったということが分かるんですよね。

本音は二十代の大学生らしい、普通の感性を持つ子だと分かるんですよ。

  • BADエンド

NomalEND見ないとBADエンドあるんですね!知らなかった!(真面目に)
うろうろ里珈子の姿を探す仁はある意味気の毒というか見ていて辛かった。
でもなぁ、里珈子として一番支えて欲しかったであろう時期を支えなかった訳ですし、
その当時の仁の優先順位がまー姉>里珈子と分かってしまった瞬間でもあるわけですから、里珈子としては嫉妬もしますし、
支えてもくれない相手と距離を置きたくなる理由はわかりますね。
コトバだけじゃ駄目なんですよね、結局。実行してくれなきゃわからない。

  • NOMAL

これは昔と変わらずラストのCG見せちゃっていいのかな?と思うルートなわけですけども、これを見ないとTRUE見れないとか知らなかったぜ。

  • TRUE:つまんない恋

半年前に出来なかったことを今、やり返す。ただ、愛しい人のために。
高村仁の良いところは、ここだと思うんですよ。
誠実ではない部分を見せてしまったからこそ、今度は外堀から埋めていく。
正直、二十代の大学生?と思ってしまうぐらい姑息で卑怯なやり方ですけども。まぁ丸戸史明の主人公だよね。

本当に、本当にしょうがないなぁ、仁はぁ

いや、本当に良かった。
苦楽を共にしてやっっと一緒になれた二人は本当にドラマのようで、素晴らしい以外の言葉が出ません。
あのまま、里珈子をほっといてたら里珈子は退学してたんでしょうね…。

仁が家族を優先させてしまうなら大切だからこそ家族にしてしまえ!という考えはちょっと無茶に見えましたが結果論として「つまんない恋」をずっとしてきたわけですがそこをちゃんと幸せに解決してくれたのが丸戸史明の優しさだと思います。

何気なく出会ってなんとなく気があってまたね、のくちづけの後にすぐに入る短いメール。

二人は変わらないから素直になれない。

(中略)

どうしていいのかわからない

出会って2年、結ばれて5年、大切な家族が増えて良かったね。

しょうがないなぁ、裏ヒロインは!

Parfait au Chocolat

1章:curio

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うおおおおおおおお!美里ちゃん!美里ちゃん!じゃないか!ツインビームじゃないか!
カトレアがcurio一号店に研修として働いてる話なんですが、もうなんか涙が…。
まさか玲愛とすずが同い年だとも思わなかったし、眞子さんは二号店に行ってるとばかり思っていまして、翠、美里ちゃん、眞子さん、さやかさん、すず、バラさん、香奈子さんと勢揃いでもう胸が苦しくなりました。
美里ちゃんが教育係!?とも思いましたが、うん、翠、何事も適材適所ってあると思うんだけどなあ…。
それからの居酒屋での翠&香奈子さんトークで愚痴る玲愛の気持ちは分かる。分かるんだけど、美里ちゃんそこいらのお嬢様じゃないからなぁ…許してよ…という気持ちになりました。
また、閉店後のシーンでチロルが出てくるのかな?と思いましたけど、実際は美里ちゃんの練習と一緒に風呂でそれもたまらなく良かった。
香奈子さんが嫁なんだけど、翠も良い友人なんだけど、やっぱり美里ちゃんが好きなんだよなぁと思いました。
美里ちゃんは恋について語っていたので大介はまだ香奈子さんとくっついてないのかなぁと。
しかし、玲愛はcurio夜制服のほうが似合うよね。昼制服あんまり似合わない…ような…。
ああでも、BGM「小鳥のダンス」で背景curioで皆勢揃いしてほんとに泣けそうでした。うわああ、こんな短いのに。
そして、一生懸命にデレた玲愛も可愛かった。店サーチしてる里珈子と仁も良かったんだけど、「ショコラ~maid cafe "curio"」の良さが現れすぎて辛かった。

脳内でねぇ君が~大好き~♪いぢわるすーるーとこもーってかかるもん。そのぐらい好きなんだよ。ああ。真名井…お嬢恐ろしい子
しかし、香奈子さんを「謎の存在」と言える玲愛ちゃんすごいよ…恐ろしい子…!

2章:famille

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今度は大介と大介(父)のファミーユ来店話。
いやね、ホントにファミーユの皆が仲いいなって分かるシナリオでした。こっちは腹抱えて笑ってしまった。
仁がいないとここまで駄目になるまー姉と、トカゲの血が入ってるたぬきチーフ里珈子様、ボケもツッコミもこなすかすりさん、
大天使に見えるけど小悪魔明日香ちゃん。
里珈子ルートでケーキに指すローソクの話をしてましたが、このイベントがあったのねぇ、と。
流石、影で支えていただけあるなぁと思う里珈子様様なシナリオだったんですけども、大介と大介(父)の漫才?もなかなか。
ショコラシナリオプロローグ、電話一本で「再婚しちゃいました、今からハネムーンと骨董品漁ってきます☆店長頑張ってね!」と言い、
ヒロインを選ぶときに「誰が気になる?誰が気になる?w」と煽ってくるようなおちゃめさんです、あんまりシナリオ上では活躍しないけど。
「大介、お前の好きなファミリーだぞ!ゴッドファーザーくん!」
やめてやれよ、やめてやれよ、大介いじめるのやめてやれよ!と逆に大介と大介父の漫才の方に夢中になってしまったかな。
それでも、ちゃんと何故仁くん病なのかなぁというまー姉のフォローも入れていたしこちらはこちらで大変面白かった。
結局あれなのかなぁ、由飛が好きってことなのかなぁ…。あ、かすりさんも明日香も好きですよ?

3章:つまんない恋

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ブリックモール店が開店するまでの皆の話でした。
「つまんない恋」をテーマに繰り広げられる彼女たちの姿、めっちゃ良い。
なんだかんだで里珈子は仁お気に入りのラベンダーコフレしちゃうし、まだ復帰しないまー姉と、学園祭で何を決めるか揉めてる明日香…はちょっとだけ胸が痛かった。
多分WA2を見てるせいか、一人の女子校生が周りの女子校生に言いくるめられたりしている姿はちょっと胸が痛い。
まぁそれも「嘘」なんですけどね。
かすりさんはなんとかまー姉の味を真似しようと一所懸命に努力してるし、玲愛は瑞菜と一緒にマンションのあいさつ回りしていたり。

里珈子の「つまんない恋 …ずっとしてたかった」
恵麻姉の「つまんない恋、まだしてるから」
かすりさんの「つまんない恋かどうかなんて、してみなけりゃわかんないじゃない」
明日香の「恋がつまんないなんて、誰が言ったの?」
玲愛の「恋なんてしている場合じゃない」

最後の最後に

「あれ守衛さん?どうしたの?」
「ファミーユへようこそ、店長の高村です」

second brewが始まると言う感じ。このままLeaf ticket流してくれてもいいよ!!って思うぐらい良かった。