私の大好きな二人が高天原で一番幸せになれますように
10巻感想
不覚にもラストは涙が止まらなかった。
丹下橋くんの男らしさ、燈火兄ちゃんの男らしさが目立っていたような感じがします。
結局、どの登場人物も幼く直情的な行動が多かったのですが最終的にはかなり落ち着いた感じがしました。
1巻からするとすごい大人になったと思うよ、特に丹下橋くん。
妹の心配もしながら、自分の中の思いへの決着をどうつけるかという燈火の思いもなかなか素晴らしかったです。特にうか様とデートしてるところは良かったなぁ。
人間と神との間の恋故、これからどうするかと家族から問い詰められそれでもうか様を愛し、うか様の為に人間を辞めて神となりうか様の家族となる、と言う兄ちゃんの決心がまた燈火らしくて良かったです。一番「いなこん」の中で客観的な視点を持ちながら行動するタイプだったので、あの行動は割りと考えられませんでしたよ、兄ちゃん。大学に進学していけば新しい出会いがあるかもしれない、うか様以上の人間の出会いがあるかもしれないと家族から説得されてもうか様を選ぶ所がたまらなかったなぁ。
丹下橋くんはやっと男らしさを見せてくれたかなと言う感じ。勿論、うかといなりの関係は知らないし、ある意味兄ちゃん以上の第三者であった事が結果として『男らしくない』と思う行動に見えてしまったんだろうと思います。
神通力を貰ってまでいなりを迎えに高天原へ行くのも直情的で感情的な彼だからこそ出来たことなんだろうなとも思いますが。
その門番がまさか丹下橋父とも思わなかったしね。
描き下ろしの子どもですが、あれはいなりの弟なのかな?
それともいなりと丹下橋くんの子ども、丹下橋くんの新しい弟なのかな?とも考えられて考察は深まるばかりです。
自分はいなりのことだからアマテラスへの願いもお兄ちゃんとうか様と丹下橋くんと一緒に居られますようにという考えだと思っていたのですけど、安易にそうしなかったのもGJ。
墨染さんと京子ちゃんの恋模様も気になりました。
同性愛なんか気持ち悪いよ、と至極もっとうな気持ちをぶつけていた京子ちゃんですが、墨染さんはその気持ちを圧えて友情に昇華させたのかな、と思うと非常に切ない部分もあります。
とても心地よい作品だった。
幼さ故の暴走、永遠に生きるものの辛さ、出会いと別れの連続した物語ですけどしっかりキッチリまとめあげてくれて感動です。
個人的キャラクター別感想
いなり:ものすごい直情的で是か非か考えず神通力に頼ってしまう序盤、中盤あたりは読んでて辛かったのですが、『中学1年生』という思春期真っ盛り、それも数カ月前までは小学生だった子と考えると『神通力』を使いたくなくても使って問題を解決してしまうという幼さ故の問題でしょう。
うか様:うか様もうか様で長年いなりと燈火を眺めてきてしまい、いなりが思う『神様と言う概念を越えて仲良くしたい』と言う気持ちが強かったんでしょうね、故に神通力を渡してトラブルを招いていたとも思えますし、そのトラブルによって燈火と恋に落ち、幸せに慣れたのだと思います。
燈火:いなり、うか様の保護者的な存在であったかなーと思います。特にうか様・いなりが直情的、感情的に行動するのに一番客観的な人物像であった人物がうか様との出会いと恋愛によってものすごい「人間らしい」人になったと思います。
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