捻くれモノの学園青春物語~俺と彼女の裏表~ レビュー

総評

まーぶっちゃけると「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」とか「俺が好きなのはお前だけかよ」のパクリインスパイアエロゲっすねという感想
後は青春部みたいなの作るやつって「僕は友達が少ない」とか?あの系統ですね、SAOのキリトとかノゲノラとかお兄様より一昔前のラノベで女の子と部活でわいわいやるやつ、今でいうと「生徒会にも穴がある」みたいな
それのハイブリッド版みたいなものだと、もともと知っていたしそんなイメージでプレイ
数年前に桜庭丸男氏のみのクレジットで発売されるはずみたいに言われていたけれども蓋を開けたら結局複数ライターで炎上したようなそんなのを覚えてたりしています
買おうか悩んでたんだけど結局複数的ライターってことで回避したんだよなあと思いつつ、1500円セールだったのでと言う理由で購入しましたん
正直元ネタありきのゲームみたいな感じの割には直球のシナリオだと思うんですけど、それを真似てそこそこ上手く調理出来ているんじゃないかなーと(と言ってもはがないだの俺ガイル等をキチンと読んでるわけではないので注意)
各ヒロインごとに「青春」のテーマは違いましたけど青春というものに対してのアプローチやら解決方法やらを見つけていたと思います
どのルートも「悩むこと」と「対人関係は相手合ってのことだからこそ独りよがりではいけない」かな
ただ物凄いガッチリした話を組んでるわけじゃないので多分ライトノベルの方よりもっとライトなゲームだと思うし、そのライト感や捻くれてる主人公に対しての苛立ち等で合わない人は合わないと思うわけです
そしてライトノベル方を別スタッフが調理して似せようとしているものでも主張にしては薄い気持ちもある
まぁ総じて感じたのはスタッフの感性が非常に「若いなあ」と言う事
悪い意味じゃなくて、共感を得ようとしているように動線は張っているしいい意味でも悪い意味でも文章が読みやすい
LAMUNATION!みたいな意味不明な何かをぶつけられてるわけではない(芯はきちんとある)作品なので分かり易いが故の若さを感じ、手に取る層からは賛否両論になるだろうなとも
問題点としては、青春倶楽部の活動内容の薄さと共通ルートの薄さ
え?これで共通ルート(青春倶楽部)終わり?ともなるし、個別ルートだともっとスピードが出てしまうのが非常に残念
特に恋にドギマギしてどうしようという感じでもなく、本当にルートに入ったらイチャイチャちょっとしてサクッとえっちするぐらいの速さなので
問題提起後の仲直りックスはなんというかなあ~…
シナリオライターのすり合わせも言われるほど複数ライターの悪いところが出ていたわけではないですがやっぱり桜庭丸男氏担当キャラのシナリオは読み応えがあり、他2人はまぁ可もなく不可もなし、商業初心者ならこんなもんだろうというラインはお出ししてくれたのでそこまでマイナスという程でも無かったです
ただ、Trueである観月理事長は桜庭丸男氏に書いてほしかったなあ
キャラクター自体は良かったし、「捻くれ」というだけあって癖の強い主人公でしたが個人的に好きですし、続編…とまではいかなくても彼らの学園生活を見ていたい気分にはなりました

ネタバレを読む!




サブキャラとかいいキャラしてるので本当に続編?みたいなのは見たいんですよねぇ
ただこれをフルプライスで、だとちょっと評価が割れるのも間違いないです

セリフ早い…

陰キャの主人公が捻くれて世界を見ているが故にセリフが早いのかと思ったらそうでもなく、なんか音は籠もってるし、セリフ早いし、音質悪いしどういうこと?と思いパッチ当ててみているんですけど1.11なんだよなぁ…なんで…?
解凍時のミス?それともインストールミスで起きてるの?みたいな気分にちょっとなってインストールやりなおし

再生速度調整があるのか…って気分に
いや、搭載するのは別にかまわないんですけどそれこそ戯画のNeXaSぐらいしか音声の速さの調整できるゲームエンジンって見当たらなくて、珍しいシステム積んでるんだなとは思いました
どちらにせよ、朔夜ルートの音質はやたら悪くてそこはマイナス


クラスカースト上位の柏香織にやたら突っかかっていく幼なじみストーカー女
正直、顔はいいとは言え元ネタ娘からあんまり好きではないタイプだったので先に攻略したわけですけど割りとシナリオの出来としては悪くない気がしましたね
観月さんが青春とは不器用でいい、不格好でいいと言い主人公も人間には誰しも裏表があってそれを否定することは出来ないし不安にもなるけど寄り添い合って生きていくということを見出すのは共通ルートで散々だるいだの人間関係がうるさいだのカーストがなんたら言ってる割にはまともなこと言うじゃなねぇか、とちょっと思いました
そしてその言葉を受けて雫もイメチェンする訳ですけどもいろいろ柔らかくなって個人的にはギャップ萌えというやつに分類されるのかわかんないですけど嫌いじゃなくなったのがびっくり
急に回想打ち込まれてただ、香織に対してはやたら突っかかっていくのは変わらず、理由として幼い頃のピアノの発表会で二人練習していたのに当日香織が「逃げた」とそれは香織がピアノ上手では無かったから、自分の保身のために逃げたのだと決めつけるわけです
そのせいで雫が自分の保身のために逃げる嫌な奴、友達じゃないと認定して突っかかって行ってたと言う話なんですけど環境からその状況だけ切り取ると確かに思春期で世界を捻くれて見ている人に有りがちなことだろうなとは思ったりはしたというかタイマンでの話が出来ていなかったからこそのすれ違い劇の落とし所の結論は面白かった
本音システムもうまく機能してたと思います
香織もその時間を一生懸命生きているだけで別にクラスカーストの上位に居たいわけでも無く、無我夢中で噛みついているだけ
その一瞬一瞬が青春じゃない?というのは非常に彼女のロックというか生き様が好きです、自分は客観視出来なかったと思うので雫の思いも香織の生き様も存外に読みごたえもありました
それと勝利や成功することが正解というわけでもないことを体育祭で語りたかったんだと思いますし(さやかの失敗・バトンリレーの失敗)
青春部に居るのは手札が揃って無くて悩んで不器用な人間なだけだね、というオチもまとまっていて良かったと思います

さやか


三白眼でコミュ障故に筆談で話すあじ秋刀魚
既存のキャラでいたなあ、誰だろうと思ったらフユキスの御笠さんこういう演技してたなーうめぇなーと思うわけで
何故スケッチブックで筆談するのかと言うとスケッチブックがさやかの母親の形見で母親が亡くなった後施設に引き取られてコミュ障になったと
コミュ障という形で語られてますけど母親が亡くなったストレスで失声症とか失言症になっちゃったんじゃないかなみたいな気分に
そしてその話を聞いた佑一郎はさやかの打ち明けてくれた思いから「逃げた」
思ったんですよね、恋人同士になっているのに「椎名」呼びだったりさやかが歩み寄ろうとしているのになんか壁を作っているというか、そんな感じ
当然重い告白をシて嫌われてしまったのではないかと落ち込むさやかでしたが一緒に修学旅行を楽しんだ豊里と放課後美術部で会話を楽しみながら過ごします
佑一郎や青春倶楽部以外のメンバーだと豊里が一番さやかの理解者であり親友になってましたね…どうなんだ…
話の相手が欲しかったコミュ障と言いますけど恋心を寄せた主人公が一番だと思うんですよね、もちろん過程として豊里というかけがえない存在は必要だったと思いますけど
好きなるというのは誰でも良いわけじゃないのに、きっと話せれば誰でも良いんだろうと決めつけてたのもヤダったなぁ
ヤりたいことだけヤって見捨てたようにしか見えなくて終わりまでイライラしましたね、豊里ちゃんのこともカースト低いだとか見下してましたし
理事長の「逃げるなよ」と言うアドバイスは正しいけど正しくない、向き合うことが人生の糧になるぐらいは言ってほしかったな、まぁ逃げたい気持ちも分からなくはないけども
恋愛はお互いのことを思いやって成立していくものだと思うので、まずそこから駄目だと思うんですよねぇ、どんな過去が合ったとしても受け入れるべき(難しいですけど)話だったと思うので
豊里ちゃんはキレて美術室に行かせなくても良かったかな
まぁエロゲなんで最後はご都合主義で解決だったけど、あーうん、「主人公が一番捻くれ者で小心者」っていうのがよくわかったシナリオでだったかなと

朔夜


恋愛話するとゲロ吐くゲロイン
歩サラさんのゲロ演技がうまくて笑ってしまう後輩
過去に好きな人と友達とで三角関係になってしまって告白されたけど保留にしていたらその友だちが離れていってしまった、もう失いたくない
故に恋愛話がトラウマでゲロ吐いて多人に迷惑かけてるのが辛いと
散々青春倶楽部でゲロ吐いていろいろしてたんで主人公が思う通り迷惑も何もないと思うんですよね
トラウマ克服のために主人公が女装して友だちである朔夜の問題を解決しようと動きます
神埼もいいやつなんだよなぁ
このゲームでは珍しく一応恋に落ちる過程だとかキスだとか普通のデートだとかのカップルしててびっくりしました(雫とさやかはびっくりするぐらい早かった)
後、青春倶楽部のメンバーへの報告だとかね…なんかとても普通っぽい展開で逆に驚いたんですよね
問題は朔夜に依存しまくっているガチレズ京子が恋愛を邪魔してくるところ
まぁ予想済みの範囲でしたし、のらりくらり躱すのかと思いきや朔夜の方がそれは一方的な愛の押しつけで自己満足だ、友人関係ではない、迷惑だと恋人を優先したところ
そして雫の思いを知った京子が仲間にならないか?と誘ってくるわけですが、愛というものは押し付けるものではないとピシャリ
お嬢様故のぼっちだったとか言われていましたけど、空気を読まなすぎるところが京子がクラスカースト低くなったんじゃないかなーと
嫌いと言われて逃げる京子に朔夜も疲労し、一緒に居ても笑顔がなくなってしまう
それ故に主人公は朔夜との恋愛を終わらせようとするんですけど
いやいやいやそこまで思いつめなくても良くない!?とは思ってそのことを京子に伝えた後、京子が自分のやっていた行為は愚かなことだったと気づき別れ話を阻止させて二人を祝福しハッピーエンド
ガチレズがガチレズ過ぎて結構引いたんですけど、友だちが居ない状態で刷り込み(相手からの優しい行為を無条件で受けて)しまったらその子につきっきりになっちゃう気持ちもわからなくは無いんですよね
それも誰しもがある経験だろうし、少なくとも京子はクレイジーサイコレズだけどもまぁわからなくもなかったかなと
ただ、嫌いな人はすごい嫌いだと思う
だってこれエロゲだし、普通の人からするとイチャイチャが見たいわけなのでね
別れようとするまで追い詰めるのはやりすぎだろうと思うし別れようとする主人公も思い詰めすぎだろうと言う感情は浮かびましたけど
このルートで言いたかったのは自分の気持を押し付けるのは友情じゃないよ、ってことかなと


唐突に付き合おう!と言い出したように見えた唯ですが元ネタが元ネタということも合って主人公に対しての想いがキチンと存在していたルート
且つ雫が対リア充女子への卑屈な感情を抱いてぶつけるルートだとしたら唯ルートは主人公である佑一郎がカースト上位のリア充と思っている浦安慶介に対して鬱屈な思いをぶつけるルートであると思います
「捻くれ」というだけ合ってさやかルート並に捻くれてました
浦安が過去のことを告白して、「変わろうと思わなければ変われない、変わる努力をした」と言って応援してくれたのに対し、それでも唯が抱いてくれた好意に懐疑的になってしまうのは「捻くれ」と言うサガなのか…うーん
ただし雫ルートと同じで桜庭丸男氏が書いてるだけあって読み応えはありました
唯誘拐やクリスマスの浦安との話は途中ハラハラはしましたけども
もうちょっとカースト上位と決めつけている浦安や平塚への偏見をなんとかしてくれたら良かったかなー
物凄い熱くて友だち思いで良いやつなんですよ、浦安
唯も唯で青春倶楽部経由で好きになったわけじゃなくて「過去に助けて貰っていた」という最後の最後に下地が見えてなるほどね、と
一両日中に恋に堕ちたわけではなくてずっとひたむきな思いを抱えていたところが非常に良かったです
本音バトル、唯と雫はうまく使われていたのに他のキャラで影も形もなくて残念でした(特に唯だと主人公の気持ちを暴くので)

観月


実質的なTrueエンド(だと思う)
新キャラ?誉田との戦いと言うか、誉田がかき回します
一応、主人公である佑一郎は浦安であるとか平塚等と仲良くしている姿を拝めるし青春倶楽部vs佑一郎(理事長)みたいな関係性になるものの、それだけなんですよね
館山が真面目になって観月の元生徒で青春させようとしたら崩壊したという断片的な情報だけ貰えたんですが何をやりたいのかよくわからなかったというか
Trueのまとめであるし一番主人公が頑張るルートであるものの一番雑なシナリオな感じでした
ルートの都合上、さやかをどうしてもフラなければならないのが辛かったかな
ただやっぱり雫というキャラはとても良く、
人の顔色ばかり伺うな、前を向け
陰キャは陰キャなりに真面目に生きてきたことを誇りに思え

と演説する姿は好きです

CG・Hシーン

ぎうにう先生、ちょびぺ先生、Rozea先生
多分さやかがぎうにう先生(銀髪だし)朔夜と理事長がRozea先生(ツリ目っぽいところ)雫と唯がちょびぺ先生かなと
複数原画ですがあんまり違和感のない塗りではありますね、朔夜とさやかのCGは結構お気に入り
SDの春々春兎さんも暗黒絵師ヨダみたいで好きです
全体的にキレイめです

選択肢


選択肢は一つのみ
非常にわかりやすい分岐です

ミニゲーム

○MAみたいなクイズゲームやら逆転裁○のサイコ・ロックみたいな心理戦やらされたりします
FateのBADエンドコーナーみたいなやつもあるのでなんというか懐かしい感じもする

テスト


懐かしい問題が山のように
日本史は5年間やったんですが世界史1年やったかやらないかレベルで全然わからなかったァ
後、地学

いい頭の体操になりました
問題自体は一見思い出さないと難しいですけど、同じ問題が何回かでるので暗記ゲーです

即死バッド


即死バッドのお手伝いコーナーとかは普通に面白いかなーと
こういうの最近無いですし、楽しかったですね