処女はお姉さまに恋してる ~3つのきら星~ レビュー

処女はお姉さまに恋してる3


女装主人公モノの開祖

おとボク自体がもう女装モノの開祖だと思ってます

  • 古き良きおとボクを踏襲してる
  • 恋する乙女と守護の楯みたいな設定だけど中身はゆるふわ
  • 照星になるまでのボリュームが満点
  • 個別シナリオが短い上に差が大きい
  • フルボイスじゃない
主人公の密のボイスがフルボイスでないと云うのは事前に知っていて購入したわけですけどもあまりにも突然抜けるので(テスト前後だったかな)バグ!?って思う程度にビビります
密の声である紫鳩羽さんが♂密の声と♀密の声の演じ分けがめっちゃくちゃ上手かったので勿体ないと感じました、まあ有名な声優さんですしね
特に花ルートでの「お姉さま」としての落ち着いた密から「ボク」になる密の演技がクッソ良かった
Hシーンでもキチンと声が入るので密に関してはフルボイスであって欲しかったなあと言う印象もあるんですが
ただまあシナリオ自体(共通)は褒められるものであるのに対し、個別がとってつけたようなと言う言い方は印象良くないのですがあまり出来が良いというわけでもないように構成されていて非常に勿体ないゲームかなと言うのは強く出来ている訳で
密の声がパートボイスなのはまだしも、おまけとはいえ海月姉妹の秘密の関係はボイス欲しかったなあ…
攻略キャラクターは迫水姉妹別にすると7キャラ、今どきのエロゲー事情としては非常に多いが個別シナリオは薄いってレベルじゃなく薄い
共通ルートが長く個別が短いという理由もわかっているのかシーンジャンプは優秀に出来ている(パッチで改善した模様)
Episode構成はI~IX、そのうちのEpi IIIまでが織女・美玲衣・密のトゥインクルスターズ視点で語られます
シナリオライターが複数いる関係上もあって非常に良い出来の個別とそうでない個別の差がまた酷く、共通は100%嵩夜節と言いますか、料理の話だとか紅茶の入れ方だとかきめ細かいシナリオが出されるんですがその後の個別がキャラクターに寄り過ぎて…
間違いなくおとボクでしたしもう少し頑張ってくれれば間違いなく面白かったと評価できるんですけど予算不足なのか業界的な体力不足なのかとても微妙な作品になっちゃってるのが残念ですね

シナリオ

照星になるまでが最高に面白い、という感じ
シナリオのボリュームもだし、主人公である密の魅力が一番出ているのは照星(エルダー)前かなと思う次第でありまして
夏休み前後から個別になっていくんですが失速感は否めず、そのままフェードアウトした感じが非常にもったいない
起承の出来の良さはやはり「おとボク」の力と言っても過言ではないし、逆に「おとボク」シリーズを最大限踏襲した結果ともとれるけれども今回の「おとボク」は護衛と警護でもあるのでそこは外さないでほしかったかなあ
メインである織女くらいじゃないと語られなかったので…鏡の君は…なんつーか…
結局、ほぼ一本道ですし
まぁ過去のおとボクが一本道じゃなかったか?と言われるとNOであるし女子校に潜入した女装主人公の1年と言うスパンで見ると間違いなく「おとボク」な訳で
嵩夜あや先生が書かれているのは花ちゃんと織女かなーって気がします、ウィットに富んだ会話が持ち味の方なので
なんなら茉理もそれっぽいんですけどあまりにもシナリオ薄いんで違うかなと
おまけの紫苑・睦月先生の居酒屋話はTHE 嵩夜あやという感じでまさにお酒が飲みたくなるシナリオ
本編では紫苑様が密の正体に気づいてるんじゃないかな~とは思ってるんですけど直接的な描写がなくあくまでおとボクファンに対するおまけだったので
そして本編で語られなかった海月姉妹の秘密の関係もなかなか良かったです

美玲衣

正直この娘の為に買ったのが8割ぐらい占めてるんで第二のツンデレラになって欲しかったけど如何せんそこまでのパンチ力が無かったというオチ
おとボクの魅力って主人公に対抗してくる気の強い女の子が魅力的なんですけど初期の織女とやり合う美玲衣さんが好きだったのに結構毒を抜かれてしまった印象でもあるし、女装バレもあっさりしてしまうのにインパクトに欠ける展開で残念
その上一番面白くない借金のカタで勝手に決められた許嫁と云々

まじでこれをやってきたのでなんとも言えない気分になりました
寮暮らしをして美玲衣と織女とだんだん距離が近づいてくる描写は良かったりツンツンして鈴蘭の君として悔しい、負けたくないみたいなハングリー精神を持つ美玲衣さん好きだったんですけどまとめ方がこじんまりしてましたね
まあ一人だった美玲衣が織女さんや密の力を頼って借りて仲良くするものは微笑ましいところはあったけども、トゥインクル☆スターズというタイトルであり、鈴蘭の君(照星3人目)でもあるのでもう少し目立っても良かったよなあ
なんというか地味だった…

迫水姉妹

紅鶸会という実質生徒会をやっている双子の姉妹
キミリア館自体が孤児やら家庭の事情で集められている少女たちの寮なので迫水姉妹も一応生い立ちは不幸ったら不幸
でもあんまりそういう不幸なとこがフューチャーされてるわけではなくすみれは奉仕会としてのしっかりものの姉、あやめは抜けてるもののピアノが上手な妹、みたいな差別化されてるのでそこそこキャラとしては良いですよね
見た目的に奏と同じに見えるのがあれなんですけど
しかし水泳と言いドチャクソ緻密に女装バレしないように気を払っていたのにバレが雑過ぎませんかね、という印象
すみれとあやめどちらを先にデートに誘うか、という選択肢はあって無いようなものですし、姉妹ふたりとも食べてしまうので分岐してないようなもんというか
KOTYeで指摘されたりしてましたが迫水姉妹に関しては分岐させる気もなかったけどちょっとおまけで分岐させるかって言われたからルートっぽいの作ったよ!みたいな…みたいな感じがしました、こればかりは雑である
おとボクの主人公ってあんまがっつくイメージがないのでコレばっかりは「オトメ*ドメイン」の湊くんを思い出しました

鏡子

今回のサポート役兼相方
こっちのルートだと水着になるのはきちんと悩むのかあ…と整合性を感じつつそれはまあ大人の事情ということで…
織女のサポートをしつついちゃいちゃ?する感じ、まあ職場恋愛みたいなもんですね
くすはらゆいでサポートって恋楯か?と思ったんですがリドルジョーカーでしたね、既視感あると思ったらあっちだな
後、見た目が赤い瞳と淡いピンク故にRipple(あえかなる世界の終わりに)に見えて…
織女+鏡子ルートと言っても過言ではない程度に織女さんが活躍するルートでもある気がします
まあ密の生い立ちからしていいところの息子さんであるので、織女とも引けはとらないですし(従弟関係だしねぇ
お嬢様お守り系アクションやりたかったらおとボクじゃなくても良いんだよね、それこそ恋楯があるのがまた
めちゃくちゃデレるわけではないけど良いパートナーとしての鏡子さんは好きです

奏ポジションの妹キャラ
共通からエンディング含めて男バレしない唯一のキャラでもある
「お姉さまのことが好きです」という告白をして密としては薔薇の君である「結城密」が好きなのではないか、性別を騙していた、それでも「僕(密)は花ちゃんが好きだ」というAnswerの対話をしていて非常に良かった
そう、どのルートも女装モノのある意味目玉である男バレのインパクトがあまりに少なく、やっと欲しい物を提供されたかという感じがする訳で
共犯者がいないと女装モノの主人公の「男」である部分は話せないし逆に完全に騙してしまって苦悩する主人公と性別は関係なく「あなたが好き」というヒロインのやり取りがやっぱり面白いのであって、美味しいところ全部無かったんですよね…おとボク3
美玲衣さんとかもっと驚愕してくれても良かったのに圧のせいで薄まってしまったし、迫水姉妹は余計なところからのバレ、鏡の君は共犯者、百合の君(織女)も必ずバレる
そういった意味で刺激が無かったのですが花ちゃんは初代の奏と似ていて素直で可愛いし慕ってくれるし…という意味でも一番好感度が高くなった
変な意味のトリック使ってないからかもしれないんですけど王道は王道たる所以があるので面白いというのを決定づけた子かもしれない
卒業したら迎えに行くからね、という密の王子様っぷりも最高です

織女

共通で必ず男バレする運命のメインヒロイン…という感じ
一応「お嬢様護衛系主人公」でもあるのでそこのポイントは外さず、キチンと描写してくれたのには好感を寄せるんだけど、如何せんアクション・バトルを書かれるゲームではないので数行後に鏡の君と鎮圧した、程度で派手なものはお出しされなかったということ
ただ、トゥインクル・スターズということやセンターヒロインということもあって美玲衣の描写もキチンとやっているし、織女も嫌な子ではなく可愛いお嬢様、密もかっこいい楯というところは外してこなくて予想したものと同じものを出されるという安心感もあった
王子様とお姫様、織姫と彦星、そんな関係性がちゃんと描かれていたというか
まあメインヒロインだしな!
一番えっちに乱れてたのも織女、ほぼスキップされるバレンタインイベントでチョコレートちゅっちゅいちゃいちゃは好きなシチュエーションですね

茉理

ヴィオラの君、と呼ばれるバイオリン弾きの姫
とある事情でバイオリンが弾けなくなってしまって転学してきて、と言う娘さん
正直、寮に住んでるわけでも照星メンバーでもないので影は薄い故にいいポジションじゃなかったなーって言う
でもシナリオはかなり良くて、昔の自分を追いかける為に一生懸命練習するもののそれは正しい答えじゃなかったと気づく
自分の音楽を捨てて新しい道を切り拓く、というある意味芸術家故の苦悩みたいなルートなんですが派手な印象ではないものの良い感じ

CG・Hシーン

変わらずのり太先生
しかし塗りの関係か昔ほどのオーラはあんまり無く…

一枚絵は良いものと悪いものの差がくっきり出ててヒロインが横を歩いてくれたりするのだけどもなーんかこうべちゃっとした感じ
ラブリケみたいなのやりたかったのはわかるんですけどちょっとなあ

抜きゲーってわけでもないのでHシーンは普通というかまあ無くてもいいレベル
初代や2だと百合っぷるも居て見どころはあったんですけど今回は海月姉妹ぐらいだし